インフルエンザのワクチン接種はするべき“悲劇”のリスクは減らせます

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
 “悲劇”を避けるために…谷光医師はインフルエンザのワクチン接種を勧めます
 “悲劇”を避けるために…谷光医師はインフルエンザのワクチン接種を勧めます

 ワクチンって本当に効くの?-患者さんからよく聞かれます。それは疾患によります。インフルエンザのワクチンなどは、みなさんが一番興味のあるところでしょうか。

 インフルエンザに関しては、正直なところ当たりハズレがあります。その年に流行するであろうと思われるインフルエンザウィルスのタイプを予測して作製されます。予測が外れると効果が減少します。具体的には、世界保健機構(WHO)の専門会議でインフルエンザワクチンに用いる推奨株が年2回選ばれます。推奨株を参考にして、日本では国立感染症研究所の検討会議で決定され、厚生労働省が最終決定して、ワクチンが作製され市場に出回ります。

 インフルエンザワクチンの効果は総じて70~80%程度、就学前の小児では20~30%程度といわれており、ワクチン接種を受けた人であってもウィルスに感染、発病する可能性があります。ただ、同ワクチンは、ウィルスの感染や発症そのものを完全に防御はできませんが、重症化や合併症の発生を予防する効果は証明されています。

 実際には、高齢者に対してワクチンを接種すると、しなかった場合に比べてインフルエンザによる死亡率を5分の1に、入院を3分の1から2分の1まで減少させることが期待できると報告されています。インフルエンザの流行時期を検討した結果、12月中旬までの接種が推奨されています。接種後の予防効果は、2週間から5カ月程度と言われています。小児の免疫能力は大人と比べて弱いために生後6カ月から12歳以下では2回接種が推奨されています。

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