ところが、出てきた答えは「極めて正常で、常識あるルール」だった。生徒会が中心になって話し合いを繰り返し、「耳や目に深くかからないように、きちんとした身だしなみを維持し、故意に染めるのはやめよう」と決めた。当時の生徒会長は全校集会で「自分たちで決めたルール。みんなで守っていこう。自分たちが卒業しても、引き継いでほしい」と呼び掛けた。
「感動しましたよ。自分たちできちっと線を引いた。信頼してもらったのだから、きちんとしようという雰囲気もできた」
「互いに信頼関係ができ、『中学生には、すごい力がある。もっと信頼しても大丈夫なんや』と手応えも得ました」
今でも鮮明に思い起こせるほど、この出来事はその後の教師生活に大きな影響を与えたという。以来、上から押し付けるのではなく、なるべく生徒に決めさせることにこだわるように。時には部活のレギュラーも部員に決めさせた。
教諭は当時の経験を踏まえ、「前例踏襲で(校則を)押し付けるのは簡単に見えるが、信頼関係を築く方が大切。教師はどれだけきちんと生徒たちの話を聞けるのかが問われる。ルールは試しに変えて、だめだったら戻してもいい」と力を込める。
一方で生徒にも「会員制交流サイト(SNS)で不満を言うだけでなく、生徒会を通して、諦めずに学校と交渉する粘り強さも必要だ。内申書に響くという声も確かに聞くが、それはおかしい。生徒の将来を保障したいのは教師も同じ。信頼関係をつくり、理不尽な校則は変えていってほしい」と呼び掛けた。
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