「夏休みの宿題、自治体や学校ごとの量はどうなっているの?」。無料通信アプリLINE(ライン)を使った神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に、兵庫県姫路市の母親からそんな質問が寄せられた。小学生の娘が他市に住むいとこの家に泊まりに行った際、宿題の量の少なさに驚いたという。母親も娘の宿題の多さを訴え、「家族での外出やスポーツの合宿で子どもは忙しい上、親も漢字や計算ドリルの丸付けなど本当に大変」。実際、その量や内容にどれほど差があるのか取材してみた。(鈴木久仁子)
まず姫路、明石、神戸の各市教育委員会に聞いた。「宿題の量を市教委で一律に決めていますか」。「いえいえ、各学校にお任せしています」と同じ返事。それなら、次は学校だ。
姫路市内のある小学校の宿題は6年生の場合、漢字ドリル30ページ以上▽習った範囲の計算ドリル▽一行日記▽リコーダーの練習▽読書感想文▽作文▽手作り朝ごはんコンテストの応募作▽自主学習ノート30ページ以上▽地域の事業所のポスターや作品の制作▽調べ学習コンクールの応募作-と、ここまでが必須。さらに、チャレンジしたい場合の学習メニューもある。
聞けば、学校と地域のつながりが深く、地域主体の作品展などがあるため、それらに出品するための宿題が増える傾向という。
一方、明石市内のある小学校の6年生は、ドリル類はあっても日記は2日分、作品類は選択できる。卒業文集の下書きなどはあるが、自由研究も必須ではない。「本年度から夏休みが8月25日までと1週間短くなり、例年より少なくした」とする。
兵庫県内のベテラン教諭は「宿題の良しあしは量ではない。各学校は子どもの特徴や学習傾向、地域とのつながりなど、複合的に見て決めている」と話す。その結果、全体の分量も決まるという。
「子どもや家庭の状況によっても適量は違う。どれだけやるか、自分たちで決められれば最高なのに」と姫路市の母親はこぼす。