新型コロナウイルスの感染拡大を受け、兵庫県内各地の小中高校、大学でも卒業式の規模が縮小されたり中止になったりと、例年とは異なる門出の春となった。神戸新聞は双方向型報道「スクープラボ」で、卒業にまつわる「伝えたい言葉」を募った。親から子へ、保護者から先生へ、大切な友達へ。思いのこもったメッセージが寄せられた。
神戸新聞が3月14~16日、無料通信アプリLINE(ライン)を使って募集。68件の投稿があった。
卒業を迎える子どもたちには、温かい励ましの言葉が届いた。娘が中学校を卒業する主婦(50)は、娘の手を引いて小学校の入学式に行った当時に思いをはせ、「いつの間にか、私の背丈をはるか追い越し、届かないものを取ろうとする私の背後からそっと手渡してくれましたね。元気で、優しく、美しく育ってくれたあなたに母としての誇りを感じます」とつづった。
卒業式に在校生や保護者が出席できない学校もある中、保護者から先生に向けたメッセージも。中学3年生の子どもがいるパート女性(46)は、受験直前の休校で不安が募る中、午前中に学校開放してくれたことに感謝し、「こんな先生たちがいた中学校を卒業できることは大変うれしく、この出来事を宝物として、この先の困難も乗り越える力にしたいです」と述べた。
中学3年の女子生徒は友達に「こんな形で卒業するって思ってなかったからすごくビックリだね。まだ学校でいつもみたいにゲラゲラ笑い合っていたはずなのにとっても悲しいね」とこぼしつつも、「私たちだけで卒業式をやり遂げようよ! 私たちの友情が消えないことを証明しよ!」と前向きに呼び掛ける。
小学6年生の担任教諭は、児童たちに「こんな年に卒業したことは一生忘れない。伝説の卒業生だよ!」と、登校日に伝えるつもりだという。中学3年の女子生徒は、部活動で厳しかった先生に向け「先生が本気で向き合ってくださったから、引退まで続けられたのだと思います」と記した。
阪神・淡路大震災の年に神戸市内の高校を卒業したというパート女性(43)は、当時も式典が中止や縮小になったと振り返りつつ「自分たちのせいではないのに、と理不尽に思うかもしれません。でも、今年のような年は、これから生きていく上でのターニングポイントになると思います」とエールを送った。
(神戸新聞・太中 麻美)
(神戸新聞「スクープラボ」から)
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