…しかし、なぜ第101掃海隊のホームページの表示速度は速いのでしょうか。関西のウェブデザイン会社で働くウェブディレクターに聞くと、こんな回答が返ってきました。
「スタイルシート(デザインを細かく指定する別のファイル)を使わずHTML(ウェブページを作成するために開発された言語)のマークアップ(タグで囲んで意味づけしていく作業)のみで作られたページですね。詳細ページはリキッド(テキストが流れるそのままの状態)で表示し、レスポンシブ(端末ごとに美しく表示されるように調整する)対応などもしていません。そんな『潔の良い』デザインが爆速につながっています」
―うーん。とりあえず…簡単な作りってことですね。
「ただ、 市販のアプリを使っていることもあり、細かいフォントの指定などが余計に感じられるところもありますね。それらを外すなどして効率的なソース(コンピュータ・プログラムの文字列)にすることで、まだ高速化できる余地はあります! サーバーの環境についても…」
―ああっ、専門的な話はもうお腹いっぱいです。ありがとうございました。しかし…もう21世紀です。このようなデザインのサイトはとっても珍しいですよね…。
「企業のサイトではほぼありませんが、行政関係のサイトでは、ないわけではありませんよ。『誰でも問題なく情報を見られること』『更新する手間があまりかからないこと』が重視されるため、HTMLのマークアップだけでページを作成するように望まれることがあります。だからといって見た目が掃海隊のページのようになるわけではありませんが…」
―でも、作りが掃海隊のページと大変近くなることがあるということですね。
「そもそもスクリプトやスタイルが使えるようになって表現の幅が広がったのは、ブラウザが進化したからです。ウェブのコンテンツの原点は、コンテンツをHTMLのマークアップで『構造化』することにあると思います。とてもシンプルなネット黎明期のデザインは、私たちに「伝える」ということはどういうことか、本質的な問いを投げかけていると思います」
速さの先にある本質とはなにか。阿部寛さんのホームページも含めて、ぜひみなさんアクセスしてみて、思いをはせてみてはいかがでしょうか。
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海上自衛隊第101掃海隊 https://www.mod.go.jp/msdf/mf/other/butai/hp/101md/101home.html
阿部 寛のホームページ http://abehiroshi.la.coocan.jp/