7年ぶりのポニーテール 医療用ウィッグで夢をかなえた脱毛症の女性「次は思いきり走りたい」

広畑 千春 広畑 千春

 撮影会には、群馬県の看護師のユキさん(仮名、24歳)も参加し、成人式の振袖姿でカメラに収まりました。2歳の頃から円形脱毛症に悩んでいましたが、小学4年生になると全頭に広がりました。隠しきれずバンダナを巻いて学校に通っていましたが、興味本位で陰口を言われたこともあったと言います。

 中学になりフルウィッグを使うようになりましたが、サイズを調整するアジャスターが肌に当たって痛く、髪型も変えられないのが悩みでした。成人式ではボブスタイルのウィッグに、もみあげを隠すため両サイドに大きな花飾りを付けて出席しました。この日は分け目が自然な人毛と人工皮膚を使ったウィッグで、あこがれだった編み込みのアップスタイルに挑戦しました。

 円形脱毛症(全身性を含む)は、赤ちゃんからお年寄りまで全年齢で発症し、患者数は人口の1~2%、日本では100万~200万人近くに上るとも推測されています。がんや白血病などで抗がん剤治療をした後の需要も高まっており「髪が抜けても、結婚式も成人式も、普段のおしゃれもあきらめなくていい。自分らしく過ごして」とななみさんとユキさん。グローウィングの堀江貴嘉社長は、自らも母親が急性骨髄性白血病で抗がん剤治療を受けたそうですが「当時のウィッグの裏地は化繊で、地肌が傷付いてしまうから使えなかった」と振り返り、「誰もが安心して使え、より自然で手頃な商品を届けていきたい」と二人の姿に目を細めていました。

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