自民党総裁選(20日投開票)は7日告示。国会議員(405人)票の7割以上を既に固めている安倍晋三首相は、対立候補となる石破茂元幹事長を大きく引き離し、連続3選が確実な情勢になっている。盤石に思える安倍政権だが、そこに“死角”があるとすれば、どのようなことか。ジャーナリスト・須田慎一郎氏はデイリースポーツの取材に対し、今後のキーマンとして、小泉進次郎筆頭副幹事長の存在を挙げた。
進次郎の動き次第で地方票に影響
国会議員票を抑えた安倍首相にとって、地方票をどれだけ集めるかが、当選後の3年間を占う意味がある。票読みでいうと、「半分以上」ではなく、「3分の2以上」が安倍政権の求心力を保つ上での必要ラインとなるだろう。その試金石となるのが小泉進次郎という存在。彼が安倍晋三か石破茂のどちらを支持するかで地方票の行方を大きく左右するだろう。
そこで思い出されるのが父の小泉純一郎が初めて総裁になった2001年だ。国会議員票では橋本龍太郎が圧倒的有利とみられた中、純一郎は地方票で圧勝。当時は地方票の投開票が国会議員票より先で、その結果を受けて国会議員も純一郎に入れた。地方の意向をくみ取らなければ地元の支持も危うくなるからだ。
現在は同時開票だが、進次郎の動き次第で地方票に影響を与える。仮に石破を支持したとしても安倍勝利は動かないだろうが、安泰ラインとなる3分の2以上の得票は厳しくなり、“勝ち方”が問われる安倍陣営にとってダメージが残る。
では、総裁になることはほぼ0%であるけれども、前々回の総裁選で支持した石破に付くのか。勝ち馬に乗る形で安倍を支持するのか。進次郎はハムレットの心境だと思う。