「幸せをプレゼントするのが放送」84歳・浜村淳の心意気

長寿ラジオ番組「ありがとう浜村淳です」

京都新聞社 京都新聞社
「来る日も、来る日も、毎日放送」に通い、マイクの前で語り続けてきた浜村淳さん。「毎朝早く、髪を整える時間もないので帽子姿で失礼します」と笑顔をみせる=大阪市北区・MBSラジオのスタジオ
「来る日も、来る日も、毎日放送」に通い、マイクの前で語り続けてきた浜村淳さん。「毎朝早く、髪を整える時間もないので帽子姿で失礼します」と笑顔をみせる=大阪市北区・MBSラジオのスタジオ

 ■「ありがとう浜村淳です」は1974(昭和49)年4月8日に始まった。月~土曜の朝8時~10時半(土曜のみ11時半まで)に放送を続け、国内屈指の長寿番組になっている。

 スタートした年の8月に宝塚で「ベルサイユのばら」の上演も始まったんです。45年と言うたら、もう、一つの人生みたいなもんです。大阪の自宅で朝4時すぎに起き、6時にスタジオ入り。新聞や雑誌を読んでネタを仕込むのは、遊びではないけど、楽しい習慣です。嫌々やっていたり、目を釣り上げて必死にやっていたりすると、聞いている人に分かります。楽しみながらの雰囲気が伝われば長続きできると思いますね。

 ■ラジオに関わり昭和から平成、令和へと向かう。

 1970年の大阪万博では会場から中継もしました。来年の東京五輪、2025年の大阪万博を迎えられたら、それぞれ2回目になりますが、僕の命が持つかどうか。力の限りしゃべり続けますが、死ぬ間際になったら古里・京都に帰りたいという思いもあるんです。

 ■半世紀以上、マイクの前で語り続け、今の放送業界をどう見ているのか。

 若い人に媚(こ)びすぎやと思いますね。視聴率やスポンサー、時代に合わせて若い人が喜ぶような番組が多く、じっくり大人が楽しめる番組は少なくなっています。面白いというのは、吉本のお笑いだけではないわけで、チャプリンのような人生の悲哀もあれば喜びもあるようなユーモアが大切です。最終的には皆さんに幸せをプレゼントするのが、放送の役割やと思うんです。すべての人に「ありがとう」の感謝を込めてね。

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