数々の映画やドラマで活躍する俳優の松岡茉優さんが3日、「おおさかシネマフェスティバル2024」の表彰式に登場。「愛にイナズマ」(石井裕也監督)で主演女優賞に輝いた松岡さんは、「『おはスタ』(※松岡さんが中学生時代に出演していたテレビ番組)の頃から見ていた」とうそぶく総合司会の浜村淳さんに対する猜疑心を隠そうともせず、「私が担当していたカラーは?」とクイズを出して関西が誇るレジェンドをやり込めてしまった。
名物ラジオ番組「ありがとう浜村淳です」(MBS)を続けて実に半世紀。現在89歳の浜村さんはオープニングから終始、軽妙かつ含蓄に富んだ語りと執拗なボケで会場を盛り上げた。時に受賞者を翻弄した立板に水の喋りを真正面から受けて立ったのが、表彰式の最後に登壇した松岡さんだった。
「愛にイナズマ」の演技で受賞した松岡さんは、「度胸の据わった芝居をやりますね。私が一番好きなのは『ちはやふる』。ちょっと意地悪な役でしたね」と切り出した浜村さんに、「そうでしょうか!?」と鋭く即応。さらに、「『おはスタ』見てましたよ」と言われると、「嘘だ、そんなバカな!子供向け番組ですよ(笑)」と全く取り合おうとせず、「じゃあ問題です。私が『おはガール』として担当していたカラーは何色でしょうか」と質問で返した。
「カラー?白です」と胸を張って答えた浜村さんに、かぶせ気味で「青です」と訂正した松岡さんに会場は大爆笑。これには浜村さんも苦笑い…かと思いきや、動じることなくすぐさま自身がフランス・カンヌを訪れた際の思い出を滔々と語り始めるなど、こちらも貫禄の司会ぶりを見せつけた。
「愛にイナズマ」で演じた折村花子のキレ具合、泥臭さに共感したという松岡さん。あらためてマイクを握ると、「映画を見た後で、悔しい思いをしたことや、理不尽なことに遭った思い出を話してくれる人が何人もいました」と明かし、「この世界にはそんな怒りや絶望を抱えている人がたくさんいる。決してひとりじゃないんです。皆さんも『愛にイナズマ』を見て、熱いエールを受け取ってください」と呼び掛けた。
おおさかシネマフェスティバルは「映画ファンのための映画まつり」を謳い、1976年から続く名物イベント。関西の映画ファンの投票で作品賞や個人賞を決め、毎年表彰式を開いている。
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松岡さん以外の個人賞受賞者は次の通り(敬称略)。
主演男優賞 鈴木亮平「エゴイスト」(ビデオメッセージ)
助演男優賞 磯村勇斗「月」
助演女優賞 中村久美「高野豆腐店の春」
新人男優賞 黒川想矢、柊木陽太「怪物」
新人女優賞 サリngROCK「BAD LANDS バッド・ランズ」
中野有紗「PERFECT DAYS」
監督賞 石井裕也「月」
脚本賞 港岳彦「正欲」
撮影賞 近藤龍人「怪物」
音楽賞 上原ひろみ「BLUE GIANT」
新人監督賞 金子由里奈「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」
阪元裕吾「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」
ワイルドバンチ賞 松本優作「Winny」
特別賞 大森一樹
関本郁夫
特別功労賞 浜村淳