新幹線の車内で乗客から「拳銃を持った人物が車内にいる」との情報が車掌に寄せられ、警察官が駆け付けたところ、当該人物は実弾を込めた拳銃を携行していた大阪府警の私服警察官だったという出来事を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は25日、デイリースポーツの取材に対し、その背景や今後の対策について検証した。
概要をまとめると、今月22日朝、東海道新幹線の広島発東京行きのぞみで「拳銃を持った人物がいると聞いた」と乗務員から110番通報があり、名古屋駅に停車した際、愛知県警中村署員ら約40人が新幹線に乗り込み、拳銃を持っていたとされる車両(自由席)の乗客を所持品検査したところ、大阪府警の私服警察官3人だった。中村署の担当者は「警察官は私服で、ルールにのっとって拳銃を携行していた。警察官が通報される事案は聞いたことがない」と驚いていたという。
同署によると、3号車付近の乗客が乗務員に目撃情報を連絡したという。JR東海によると、36分遅れて名古屋駅を出発し、上り列車7本に約15~10分の遅れが生じ、約9100人に影響が出た。
この事態を受け、小川氏は「通常の出張(他府県警へ)の場合で新幹線、航空機を利用する場合は拳銃を携行しない。容疑者の逮捕や家宅捜索等で拳銃を携行する必要がある場合は車両での移動になる。今回は警衛警護課員が研修のための移動で、拳銃を研修で使用するため必要であった」と状況を説明した。
では、警察官にとって、拳銃とはどのようなものなのだろうか。小川氏は「拳銃は警察官1人1人に1丁が貸与されており、他の警察官の拳銃との貸し借りはできない。警察官1人1人が自分の拳銃を点検整備する。拳銃には1丁1丁、微妙に癖があるのも事実です」と明かした。