服に火がついたら 止まって、倒れて、転がって
着ている服に火がついたら、止まって、倒れて、転がって-。米国で広く知られている火災から身を守る方法を、一般社団法人「RISK WATCH(リスクウオッチ)」(横浜市)が日本の子どもたちに伝える活動をしている。
「Stop,Drop and Roll(ストップ、ドロップアンドロール)」。驚いて動き回ると火が大きくなるため、地面に倒れて酸素を遮断し、燃え広がる火を左右に転がって消す。
同法人の奥田悦子さん(43)は「子どものうちから何度も練習することで、いざという時に何も考えなくても体が動く」とする。
火事からの脱出方法も教える。手の甲でドアを触り、熱くなければ外へ。手のひらは、やけどすると避難に影響するので使わない。
ドアが熱いと火が迫っている証拠。窓から布を振って助けを呼ぶ。窓がない場合は物で床をたたくなど規則正しい音を立てる。「声は近くに助けが来るまで取っておく。どこの国の消防士も規則正しい音がする所に向かいます」
誤飲・誤嚥で重症も ボタン電池は“超危険”
誤飲・誤嚥(ごえん)も注意が必要だ。小児科医で、子どもの傷害予防に取り組むNPO法人「Safe Kids Japan」(セーフキッズジャパン、東京都)理事長の山中龍宏さんは、「危険なのは医薬品」と話す。重い症状になることもあり、祖父母宅でも対策をしたい。
1月に長岡京市内で開いた傷害予防のリーダー養成講座で講演した山中さんは、ボタン電池も「超危険」と指摘。食道にとどまり、放電して食道が傷つく。最悪の場合は死に至る。
ミニトマトなどで窒息死した事例もある。3歳児が口を開けたときの最大口径は3・9センチ。「4歳までは4センチ径以下のものを食べる際は4分割を」と呼び掛けた。
また、子どもの事故は「『運が悪い事故』ではなく、『予防可能な傷害』だ」と訴えた。医薬品に開封しにくい包装容器があることを紹介し、「予防とは、モノの設計や環境など『変えられるもの』を見つけて変えていくこと。社会全体でやらないといけない」と語った。