ソファ、ひも、トイレ…家の中も子どもの事故リスクいっぱい どうやって予防したらいい?

京都新聞社 京都新聞社
家の中には子どもの事故のリスクがひそんでいる
家の中には子どもの事故のリスクがひそんでいる

 転落や誤飲、溺水-。子どもの事故は、小児科医が「現場で毎日診る」というほど、今でも頻発しています。対策が大事と分かっていても、なかなか…という人もいるのではないでしょうか。予防について専門家に聞きました。

「しておけばよかったということ少しでも減らして」

  浴槽内でバランスを崩してお湯の中に沈んだり、シンク上のまな板を引っ張った際に包丁を落としたり-。いずれも最近、記者の長男(1)の身に起こったこと。幸い大事には至らなかったが、全身からすーっと血の気が引いた。

 不慮の事故は場合によっては死に至る。「大きな事故につながらないように対策を。こうしておけばよかったということを少しでも減らしてください」。家の中を再現し、具体的な予防策を紹介する「京(みやこ)あんしんこども館」(京都市中京区)を訪れると、看護師の中辻浩美さん(65)にアドバイスを受けた。

 事故が多い場所は居間。今の時期はホットカーペットや床暖房を使うことも多いが、子どもを長時間寝かせると低温やけどになる恐れがある。

 ソファやいすからの転落にも注意が必要だ。同館の調査では、生後3カ月以下でも転落するケースが多かった。「寝返りしなければ動かないと思っている人もいるが、けっこう激しく動いてずり落ちます」

 ハイハイを始めると自分でソファや階段に上るように。「足から下りるように教えることが大切。一度できて終わりではなく、確実にできるまで見守って」

 子どもはひもやコードが好きだが、過去にはブラインドのひもに首がからまって死亡した事故が発生した。ひもは高い位置に束ね、コードは壁にはわせて留めるなどする。

 台所も子どもの興味を引く危険な物がいっぱい。「引き出しには全てロックをと呼び掛けています」。つかまり立ちできるころからやけどの可能性が高まる。こんろのグリルはこの時期ちょうど手が届く。使わないのも一案だ。

 浴室や洗面所、トイレもチェック。子どもは水も大好きで、お湯を張った浴槽やトイレをのぞき込んで落ちる恐れがある。残し湯をしない、トイレのふたを安全グッズを使ってロックする、洗剤を高い所に置くといった対応を勧めている。

 遊び場のリスクマネジメント研究で博士号を取得した松野敬子さん(57)=長岡京市=は、2歳の孫がいる長女宅で安全策を実践している。

 例えば電気ケトル。蒸気に触れてやけどしないように、台の上に色付きのテープを貼り、それより奥に置いている。ただし、コンセントが足元にあると、コードが足に引っ掛かるかもしれないので注意したい。

 子どもの手の届く範囲は、「台の高さ」と「(台の上で)手が届く範囲」の合計。1歳児は約90センチ。台の高さが60センチだと、30センチまで手を伸ばせる。ひもに90センチなどの印を付け、家の中を点検するのもいい。

 長女宅ではほかに、寝室のベッドを足を外して利用している。マットの位置が低くなり、孫も安全に寝かせられるという。「簡単にできておすすめです」

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