「この写真には、『平成』『昭和』『大正』の文字が写っています。『大正』がどこにあるかわかりますか?」
熊本市内の出版社が突如、Twitterに話題性抜群のクイズを投稿したのは4月16日。瞬く間に注目を集め、複数のネットニュースで取り上げられた末、ついにはその頂点ともいうべきヤフトピを飾るまでに至った。ネタとしてほぼ消費し尽くされたこのタイミングで、同じ話を記事にする意味はあるのか。書きながら考えてみたい。
まずは普通にクイズについて。熊日出版が投稿した写真は、JR豊肥本線の平成駅前を写した何気ない風景で、当然「平成」駅という看板が大きく掲げられている。そのすぐ隣には「昭和」タクシーの看板も確認できるが、どれだけ目を凝らしても「大正」の文字は見当たらない。
正解は……
熊日出版「自動販売機の3段目の左から3番目にある『リポビタンD』の『大正製薬』のことです!」
わ、わ、わ、わかるかーーーーーーーッ!!!!!!!
平成駅があるのは同社から徒歩10分ほどの場所。担当者によると、企業看板は昭和タクシー以外にもいくつかあるため、地元では「平成」と「昭和」がこうして並んでいることに注意を払う人は少ないという。自販機の商品で「大正」「昭和」「平成」が揃うというネタは、地元のテレビ番組が紹介したのが先だそうで、たまたま駅を通りかかったときにその話を思い出した熊日出版の担当者が軽い気持ちで撮影してツイート。解答の意外性が大いに受け、リプライ欄には同じ場所で「明治」のチョコレートを写し込んだ写真を投稿する人も現れた。担当者は「思いがけない反響で、大変驚いています」と話している。
…と、ここまではすでにどのネット記事も書いている話。新しい要素はゼロである。書く意味がない。ではどうするか。誰でも思いつくのが、大正製薬からコメントをもらうことだろう。だが私が大正製薬の担当者なら、そんなことでコメントを求められても「知らんがな」である。よしやめよう。