古参のイヌが犬同士のふれあい方を教える
「昼の13~17時は『幼稚園』に通う子のお勉強スペースを作るため半分に区切りますが、それ以外の時間は全員がプレイルームで遊びます。この時に新しく入ってきた子には、古参の子が犬同士のふれあい方を新しく来た子に教えています」
どうしても集団行動になじめない子は、スタッフの誰かが相手になるか、高齢で体力のないワンちゃんなどは別所で休憩させていることも。しかし「それ以外は元気に遊んでいます。その中で適切なふるまいを犬同士で教え合うんです。新入りの子には、年長さんがまずはあいさつから教えます」。
犬はお互いの鼻と鼻を合わせ、匂いを嗅ぎ合うことで瞬時に「性別、年齢、体調、今の気持ち」などの情報交換を行います。これが人間の「あいさつ」に当たります。怖がって仲間に入ってこようとしない新入りさんには、より多くの自己情報を開示できるお尻の匂いを嗅がせることで緊張を解こうとする優しい年長さんの姿も。
逆にはしゃぎ過ぎて、仲良くして!とあいさつなしでいきなり近づいてくる子は無視したり、少し距離を置いたりすることもあるそうです。他の犬たちのふるまいを目で見て覚えさせた後、適切なふるまいができるようになったと年長さんが判断したら、仲間に入れてあげるのだそうです。
自分の頭で考えることで身につく社会性
こうして飼い主から離れて自分の頭で考え、犬の友達との遊び方を覚えることで、自立心が芽生え、社会性が身に着きます。お泊りを終えてお家に帰った後も良い影響は続き、散歩中に出会う他所のワンちゃんを避けがちなおとなしい子も、積極的に友達になろうとする姿勢を見せるようになるそう。一方、活発過ぎる子は落ち着きを養い、他所のワンちゃんとすれ違ってもいきなり吠えたりなどの問題行動が減るのだとか。また過度な飼い主さんへの依存や、わがままなふるまいが減り、言うことを良く聞くようになる子もいるそうです。
「人間と一緒で、若い子の方が感受性が柔らかいので吸収することも多い。一晩泊まるだけでもふるまいが変わる子は変わります」。
また、犬は意外と飼い主さんが思う以上に「割り切り」ができる、とも。同園に連れてこられると、切り替えて「犬同士モード」になって思い切り遊んだ後、飼い主さんが迎えに来ると「飼い犬モード」に戻って大喜びで帰っていくそう。実は飼い主さんが思うほど寂しがってはいなくて犬同士のつきあいを楽しんでいるのかも。「子離れ」ならぬ「ペット離れ」が必要なのは人間の方だったりして…?
「犬同士のつきあいの楽しさを覚えることで、自分の行動を自分で決められるようになり、情緒も安定し、結果的に飼い主さんともより良い関係性が築けます。ぜひ犬のこと第一に考え、お家の中だけの狭い世界ではなく、外に出して犬の生きる世界を広げてあげて欲しいですね」
※本文中の表示価格はすべて税込み
※利用の際は1年以内に接種した狂犬病と混合ワクチンの証明書が必要
▼犬の幼稚園・ドッグホテル「chouchou」 TEL 0798-32-8000
店舗詳細はhttp://jardindechienschouchou.web.fc2.com/