「←保健所に収容されてた時のおすず いまのおすず→ 別犬だねぇー可愛くなったねぇー」というつぶやきと共に、真弓 瞬さん(@mayumi_shun)がツイッターに投稿した2枚の写真が話題です。その2枚とは、「おびえた瞳でこちらを見る保健所に収容されていたときの犬」と、大事にしてくれる家族を得て、「安心した顔でカメラを見ている2年後の犬」の写真。まるで別犬みたいに変化したわんこのビフォーアフターについて、投稿者の真弓 瞬さんに聞きました。
素敵な人に巡り会えて本当に良かった!
「別犬~!!!」「愛されてますけど?って顔してら♡」「ペットは自ら環境を選べない。巡り会えた人に運命を委ねるしかない。素敵な人に巡り会えて本当に良かったね」と、感動のリプライが殺到したのは、真弓さんの愛犬、すずめちゃん。推定13歳になる、もと保護犬の女の子です。
「保健所はストレスがいっぱいだったんですね。今は幸せそうです」というリプライも寄せられていたように、山口県の保健所に収容され、おびえた目をしていたすずめちゃん。犬猫シェルター『おーあみ避難所』さんにより保護された後、「預かりボランティア」を行うペットシッター/ドッグトレーナーの真弓 瞬さんのお家に迎えられることになりました。
預かり直後に真弓さんが驚いたのが、すずめちゃんはとくに教わることなく、「歯磨き、足ふき、ハウス、シートでトイレ…一緒に暮らす上で出来るとありがたいことは割となんでも出来た」こと。「これは紛れもなく前の飼い主のおかげ」「保健所に持ち込まれたことは確かだけど、おすずはちゃんと愛されてたと思う」と、ツイートしていた真弓さん。保健所でおびえていた頃と、愛され顔になった今のすずめちゃんのこと、そして保護犬/保護猫と暮らすことについて、お話を伺いました。
あのときすずめが意思表示をしてくれたおかげです
ーー保健所にいたときと今のすずめちゃんのお写真を拝見し、愛情や環境が犬にどれほど大きな影響を与えるのか改めてよくわかりました。お家に迎えられた直後と今のすずめちゃん。どんなところがいちばん変化しましたか?
「我が家で預かるまでの数日間、すずめは犬猫シェルターにいたのですが、周りに他の犬がいるという環境がストレスだったようで、他の犬と喧嘩になりそうになるほど吠えていたんです。我が家に来たばかりのときも、散歩で出会うわんちゃんが苦手で、吠える上に口が出そうになることもありました…。そこから段々と穏やかになり、半年後には初めましてのわんちゃんとも上手に挨拶が出来るようになりました。
最近では、我が家に預かりの猫や犬が来ても、友人が愛犬連れで来ても、受け入れられるようになりました。これには本当に驚いています。一緒に仲良く…というわけではありませんが、同じ空間、しかも自分の家に他の動物がいることを許している、ということは大きな変化なんです」
ーー当初は里親さんが見つかるまでの一時預かりだったそうですね。正式にお迎えされたきっかけは?
「我が家にすずめが来て丸2年経つのですが、当初は1カ月くらいで里親さんが決まるんじゃないかなーと思っていたんです。でもコロナの影響で譲渡会も出来ず、なかなか里親さんが見つかりませんでした。当のすずめは最初から、『え?この家で育ちましたけど何か?』くらいの馴染みようで、すぐに懐いてくれました。こんなに懐かれると思ってなかったのでとても嬉しく、預かり生活が3カ月になる頃には、『今月中に里親さんが見つからなければうちの子に…』と考えていました。
そんなときに里親候補さんとのお見合いを経て、譲渡が決まりました。しかし何かを悟ったのか、すずめの情緒が不安定になり始め、譲渡当日、車に乗せると今まで出したことのないようなか細い声で鳴き出したんです。保健所にいたときのような悲しそうな表情になり、なんだか手放してはいけない気がして、保健所から引き出してくださったシェルターの方に相談しました。
するとシェルターの方から、『実は私もこのまま真弓さんの家にいるのがいいんじゃないかと思ってた」と言われ、里親候補さんに事情を説明することになったのですが、なんと、里親候補の方からも、『それ!私も思ってました!』というまさかの反応が返ってきたんです。お見合いで伺ったときの私とすずめの様子を見てそう感じたそうです。そんなこんなで、我が家に正式に迎え入れたのですが、すべてはあのとき車に乗ったすずめが、自分から意思表示をしてくれたおかげだなと思っています」