北村弁護士はまた、「場合によってはネット上で中傷されても気にしないことも大切では」と指摘。SNSにいくらネガティブな言葉を書き込まれても自分が見なければ「無い」ことと同じであり、名誉毀損に当たるとしても自分のことをよく知ってくれている周囲なら虚偽であると分かってくれることも多い。現代では「フェイクニュース」という言葉もあるほどで、ネット上の記述は必ずしも真実に基づいていないことは誰もが承知するところとなっている。ただ、名誉毀損に当たる書き込みを放置することによる不利益が、どの程度あるか冷静に判断することが必要だ。
他方、事業を営んでいる人物であれば中傷を放置することが致命傷になることもある。新規採用に影響が出たり、取引先が懸念して事業に支障が生じることも考えられるからだ。北村弁護士は「立場によっては刑事告訴をせざるを得ないこともある」と話した。