子供のお弁当がない時は、私のお弁当もないという暗黙の掟がある。診療の合間だった28日午後2時前、そば屋さんに駆け込み、お茶をすすっていると衝撃的なニュースが流れ、思わず席を立ってしまいました。テレビは勝谷誠彦さんの死去を伝えていました。原因は、アルコール性肝炎が急性増悪したことによるようです。
アルコール性肝障害の概念は、5年以上の過剰な飲酒が主な原因と考えられる病態です。「過剰な飲酒」とは、純エタノール60g以上の飲酒を指します。日本酒であれば3合以上、ビールなら大瓶3本、ウィスキーはダブル3杯程度が目安です。ここで勘違いしないで頂きたいのは、日本酒、ビール、ウィスキーの合計ではないということ。女性の場合は上記の量の3分の2とされています。
アルコールの過剰摂取によって肝臓に脂肪が蓄積し脂肪肝となり、さらに進むと肝臓に炎症が起こり、炎症を起こした部分が硬くなるという現象、すなわち線維化が起こります。そういった状態で、常習としている飲酒量を急激に増やしたことによって、アルコール性肝炎が起こってしまうのです。アルコールそのものによる肝障害と、アルコールの過剰摂取による脂肪の蓄積が、その原因とされてきましたが、その他にも免疫機構の関連についても解明されてきています。