インフルエンザのワクチン接種はするべき“悲劇”のリスクは減らせます

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
 “悲劇”を避けるために…谷光医師はインフルエンザのワクチン接種を勧めます
 “悲劇”を避けるために…谷光医師はインフルエンザのワクチン接種を勧めます

 2回目までの接種間隔は、1回目から2~4週間後での接種が推奨されていますが、最も推奨されている間隔は4週後の接種。学級閉鎖率を調べたところ、4週間隔の群の閉鎖率が最も少なかったとの報告があるからです。海外では接種間隔を4週以上と指定している国もあります。また、13歳以上であっても、著しく免疫能力の低下した患者さんには2回接種が推奨されています。健常人であれば、通常の1回接種で十分に免疫がつくとされています。

 インフルエンザワクチン接種の是非は、確かに議論の余地がありますが、私は毎年接種しています。接種しなくても罹患したことがない人もいれば、接種しても何度も罹患する人がいます。個々の免疫能力にもよりますので、一元的に言うことはできませんが、合併症である肺炎、インフルエンザ脳症になる確率を少しでも低下させる意味で、ワクチンの接種は意味があると考えています。

 特に幼少の子供たちには受けてほしいのです。数年前、ある屈強な初老の男性が診察に来られた際、自分の病気のことではなく、インフルエンザで亡くなられた小学校2年のお孫さんの話をされました。「なぁ先生、なんでワシの孫なんじゃ。自分のことやったらなんでも辛抱できるけど、孫のことはつらいなぁ…救急車の中で『のどが渇いた』と言うたのが最後の言葉やったんや…」。お話を聞いているうちに、涙が止まらなくなった記憶があります。

 ですから、少しでもこうしたリスクを減らすことができるのであれば、ワクチンは接種するべきだと思うのです。また、予防接種対象疾患であるジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、麻疹、風疹、日本脳炎、結核、小児の肺炎球菌感染症、インフルエンザ菌b型(インフルエンザウィルスとは違います)、ヒトパピローマウィルス感染症、水痘、B型肝炎に対するワクチンは接種するべきだと考えています。上記疾患は、ワクチンを接種することにより、高い確率で感染を防ぐことができます。みなさんも接種することをお勧めします。

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