医師も緊張する大腸カメラ受診…終わったらスッキリ 早期発見&治療の大きな助けに

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
 内視鏡を使って検査する谷光院長
 内視鏡を使って検査する谷光院長

 近年、食の欧米化とともに大腸がんが増加しており、女性のがん死亡原因の1位が大腸がんになりました。そのため検診などで便潜血を受けられる人も増加しています。大腸がんは比較的悪性度が低いがんと言われています。ですから、早期発見、早期治療で完治する可能性は高いのです。

 大腸の壁は、粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜と5層構造になっています。がんは必ず大腸壁の内側の粘膜から発生し、進行とともに深く浸潤していきリンパ節、多臓器転移などをきたすのです。発生の仕方にも、腺腫から次第にがん化するタイプと、いきなりがん化するタイプがあります。腺腫から発生するタイプは、内視鏡的ポリープを切除した際によく認められます。大腸がんでも粘膜内にとどまるがんに転移は認めず、内視鏡的切除で治療は終了です。

 粘膜下層に浸潤するとリンパ節転移は10%前後(浸潤の深さによる)で、内視鏡的切除で終了する場合と、追加で腸管切除とリンパ節郭清を施行する場合に分けられます。筋層以深の浸潤が疑われた場合は、最初から手術になります。近年、腹腔鏡の手術が進歩していて多くの場合、腹腔鏡で行われています。抗がん剤治療も著しく進歩しており、以前は諦めざるをえなかった症例でも完治することもあります。

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