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マッサージしても全然なおらない「肩こり」……歯医者が舌を見て、指摘したのは? 気づかないうちに、歯周病が悪化も!【歯科医が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

会社員のAさんは、首と肩がガチガチに固まる慢性的な肩こりに悩まされています。週末にはマッサージへ通っていますが、ラクになるのはその時だけ。数日も経てば、また元通りとなってしまいます。

そんなある日、Aさんは歯科に行ったとき、口の中を見た先生から「肩こりに悩まされていませんか?」と指摘を受けます。歯のすり減り具合や、舌についた歯の跡から、無意識に歯を接触させ続ける『TCH(歯列接触癖)』ではないかと言われたのです。先生によると、このTCHが慢性的な首・肩こりにも影響を及ぼすと聞き、Aさんは驚愕します。

なぜ噛み合わせの問題が首・肩こりに影響を及ぼすのでしょうか。また対策方法はあるのでしょうか。医療法人社団アーユスの理事長で、南浦和にあるくろさき歯科の院長を勤める黒崎俊一さんに話を聞きました。

気付いたときに顎の力を抜くよう意識することが大切

―まず、TCH(歯列接触癖)とはどのような症状でしょうか?

TCH(歯列接触癖)とは、無意識のうちに上下の歯を接触させてしまう癖のことです。本来、リラックスしている時は上下の歯は触れていないのが正常ですが、TCHがある方は、パソコン作業や運転、スマートフォンの操作、料理など何かに集中しているときに、気づかないうちに歯を軽く接触させています。

奥歯だけなど部分的に触れている場合も多く、強く噛みしめていないため、自分では気づいていないことの方が多いです。

―なぜこのTCHと慢性的な首こり・肩こりが影響を及ぼすのでしょうか。また、ほかにもTCHで引き起こされるリスクはありますか?

上下の歯が接触すると、あごの周囲の筋肉は緊張した状態になります。特に、噛む筋肉は首や肩の筋肉ともつながっているため、歯が触れている状態が続くと、首や肩まわりにも負担がかかりやすくなります。しかもTCHは、強く噛んでいなくても長時間続くことが特徴です。そのため本人が気づかないうちに筋肉が休めない状態となり、慢性的な首こりや肩こりにつながる場合があります。

TCHが続くと、歯やあごに少しずつ負担が蓄積します。その結果、歯がすり減る、欠ける、知覚過敏が起きる、詰め物や被せ物が外れやすくなるといった問題につながることがあります。また、歯を支えている骨や歯ぐきにも負担がかかるため、歯周病が悪化しやすくなる場合もあります。さらに、あごの関節に負担がかかることで、口が開けづらい、音が鳴るなど顎関節症の症状につながることもあります。

―TCHの治療方法はあるのでしょうか?

TCHの治療では、まず「上下の歯が触れていることに気づく」ことが重要になります。歯科医院では、TCHについて説明を行い、日中の歯の接触に気づきやすくするためのトレーニングを行うことがあります。また、歯やあごへの負担が強い場合には、マウスピースを使用して歯や関節を保護することもあります。さらに、噛み合わせや詰め物・被せ物の状態を確認し、必要に応じて調整を行う場合もあります。

―TCHによる慢性的な首こり・肩こりを治すために、自分でできることはありますか?

自分でできる対策としては、まず「今、歯が触れていないか」を意識することが大切です。本来、リラックスしている時は上下の歯は触れていません。パソコンやスマートフォンを見る場所、車の中などに「歯を離す」とメモを貼り、気づいたときに力を抜く方法がよく行われます。また、長時間の緊張やストレスによってTCHが強くなる場合もあるため、休憩や睡眠をしっかり取ることも大切です。

◆黒崎俊一(くろさき・しゅんいち) 医療法人社団アーユス理事長、くろさき歯科院長
幼少期の原体験を通じて、「限りある命の時間をどう生きるか」という問いを持ち続け、歯科医療を通じて生活・人生・生命に向き合うホリスティックな医療を実践している。各分野の専門性を持つ歯科医師が連携するチーム医療を基盤に、噛み合わせや口腔機能を重視した診療を行い、「Think Life(シンクライフ)」をテーマとした歯科医院づくりを進めている。
▽くろさき歯科ホームページ
https://mouthpiece-kyousei-lp.biz

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