tl_bnr_land

飲酒してドローン操縦したら逮捕される? 「数分だけだから」は通用しない 賠償責任保険も支払われない可能性大!【弁護士が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

アウトドアが趣味の42歳男性Aさんは、河川敷で友人たちと恒例のBBQを楽しんでいました。雲1つない青空の下、ビールを3缶空けていい気分になったAさんは、持参したドローンで集合写真を撮ろうと思い立ちます。

プロポ(送信機)を握りながら「高度も低いし、ほんの数分飛ばすだけだから大丈夫」と言っていると、近くで別のドローンを飛ばしていた男性から、「今の法律では、飲酒してドローンを動かすのは厳禁ですよ。警察に通報されたら逮捕されますよ」と声を掛けられます。

おもちゃのような軽いドローンであっても、本当に飲酒操縦は車と同じように厳しく罰せられるでしょうか。まこと法律事務所の北村真一さんに聞きました。

「知らなかった」では済まされない罰則

ー飲酒してドローンを操縦した場合、どのような罰則が科されるのでしょうか?

2019年の航空法改正により、ドローンの飲酒操縦は厳格に禁止されました。違反した場合、航空法に基づき「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されます。これは単なるマナー違反ではなく、立派な刑事罰です。

実際に2022年には、新潟県で酒を飲んでドローンを飛行させた男性が航空法違反の疑いで書類送検されています。

ー100グラム未満の、いわゆる「トイドローン」なら酔って飛ばしても許されますか?

航空法の「飲酒操縦禁止」の規定は、現在、機体重量が100グラム以上のものに適用されます。しかし、100グラム未満のトイドローンであっても、自治体の条例に違反したり、他人の身体・財産に危害を加えたりした場合の過失責任は免れません。

どのような機体であっても、アルコールが入った状態で精密機械を操縦すること自体が、極めて危うい行為だという認識を持つべきでしょう。

ー車の酒気帯び運転のように、アルコール濃度の基準値はあるのでしょうか?

ドローンの場合、航空法では「アルコールの影響により正常な飛行ができないおそれがある間」は飛行させてはならないと定められています。数値的な基準が明示されているわけではありませんが、ビール1缶であっても操縦に影響が出ると判断されれば処罰の対象になり得ます。

一般の趣味の方であっても、少しでも飲んだら「飛ばさない」が鉄則です。

ーもし飲酒操縦で事故を起こし、他人にケガをさせてしまったらどうなりますか?

民事上の損害賠償責任が発生します。もし対人事故で後遺障害などが残った場合、賠償額が数千万円から1億円を超えることもあり得ます。

さらに深刻なのは、多くのドローン保険(賠償責任保険)には「免責事項」があることです。飲酒操縦という法令違反を犯している場合、保険金が支払われない可能性が非常に高いのです。

30万円の罰金どころか、一生をかけても払い切れないほどの賠償金を背負ってしまえば、家族の生活を壊してしまうでしょう。「数分だけ」という油断が、取り返しのつかない事態につながる点は忘れてはいけません。

◆北村真一(きたむら・しんいち) 弁護士
「きたべん」の愛称で大阪府茨木市で知らない人がいないという声もあがる大人気ローカル弁護士。猫探しからM&Aまで幅広く取り扱う。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース