結婚して15年目を迎えた40代のAさんは、2人の子供の育児と家事に追われ、自分のことは常に後回しの毎日を送っていました。そんなある夜、意を決して夫に甘えようとしたAさんに夫は冷たく「悪いけど、もうお前のことを女として見られないんだ」と言い放ちました。
その一言によりAさんは「私にはもう魅力がないのか」「女として終わってしまったのか」と考え落ち込みます。しかし泣き疲れたAさんはある時、「私の価値を夫が決めるのはおかしい。これは私が私自身を愛するためのチャンスだ!」と考え始めました。
絶望から立ち上がる女性が、自分軸を取り戻すためにはどのような行動が必要なのでしょうか。夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに話を聞きました。
「夫への依存」がショックを大きくする
ー「女として見られない」と言われたショックから、どう立ち直ればよいでしょうか?
その言葉が深く突き刺さる背景には、Aさんの幸せや価値基準が「夫にどう思われるか」という依存心に基づいている可能性があります。まずは、ショックを受けている自分を否定せず、受け入れてあげてください。その上で、夫の評価という「他人軸」から離れることが癒やしの第一歩です。
これまでの15年、家族のために尽くしてきた自分を、まずは自分自身で承認してあげましょう。夫がどう言おうと、あなたが一生懸命に生きてきた事実は揺らぎません。
ー自分を愛し、大切にするためにできることはありますか?
いきなり大きなことをしようとせず、まずは「外側」を整えることから始めてみてください。一番のオススメは「笑顔」と「姿勢」です。これは0円ですぐに始められます。背中を丸めて伏せ目がちでいるのではなく、意識して背筋を伸ばし、鏡の前で笑顔を作る練習をすることです。
また、家の中だからといって常にジャージで過ごすのではなく、自分がうれしいと感じるブラウスやスカートを身につけてみましょう。時には子供を預けて、1日エステに行って身も心もリラックスさせる時間を持つのも良いでしょう。
自分を磨き、理想の姿に近づいていくことで、不思議と夫の評価など気にならなくなっていくものです。
ー夫に対して、自分の傷ついた気持ちや本音をどう伝えればよいのでしょうか?
大切なのは、伝える時の自分の心の状態です。夫に認められたい、振り向いてほしいという見返りを期待して伝えると、思うような反応が得られなかったときに再び傷ついてしまいます。
まずは自分1人でも人生を楽しめる強さを持ってください。あなたが自立した魅力的な女性になれば、旦那さんへの依存心が減り、結果として対等な対話ができるようになるでしょう。
ー再び“男女”としての信頼を取り戻すことは可能ですか?
可能です。ただし、それは「夫を変えようとした結果」ではなく、「あなたが自分を愛した結果」として訪れるものです。あなたが自分自身を承認し、はつらつと輝き出せば、夫はあなたの変化に必ず気づきます。
人生で1番若いのは今日です。今日から自分を立て直していく。夫の理想像を叶えるために生きるのではなく、あなたがなりたいあなたになること。その道を進むことが、巡り巡って夫婦の間に再び温かな風を吹かせる近道となるのです。
◆木下雅子(きのした・まさこ) 行政書士、心理カウンセラー
大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。