CX-8が2022年大幅アップデートモデルなら、両車ほぼ互角の安全性能
▽6.安全装備&運転支援機能の比較
・CX-8(KG系)の評価は4.0
・ZR-V(RZ系)の評価は4.0
CX-8、ZR-Vともに、運転支援機能を含めた予防安全装備は充実しており、衝突被害軽減ブレーキなどの基本機能は標準装備。安全性能は概ね互角といえる。
CX-8は、衝突被害軽減ブレーキ「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」をはじめ、ブラインド・スポット・モニタリング、車線逸脱警報システムなどを全車標準装備している。
さらにスマートエディション以上では、スマート・ブレーキ・サポートやマツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)、アダプティブ・LED・ヘッドライト、360°ビューモニター+フロントパーキングセンサー、レーンキープ・アシスト・システム、交通標識認識システムなどが標準装備となる。
加えて、スポーツアピアランスおよびエクスクルーシブモードには、渋滞時の運転支援を行うクルージング&トラフィック・サポート(CTS)も標準装備される。そのため、CX-8(KG系)を選ぶのであれば上級グレードが狙い目だ。特にスタンダードグレードとスマートエディションでは装備差が大きいため、購入時はスマートエディション以上を選びたい。
一方、2023年に登場したZR-Vは、16の機能をパッケージ化した安全運転支援システム「Honda SENSING」を全グレードに標準装備している。
フロントワイドビューカメラは約100度の有効水平画角を持つ広角カメラと高速画像処理チップにより、対象物の検知精度を向上。また、前後バンパーに4カ所ずつ設置されたソナーセンサーが近距離の外壁やガラスなどを高精度で検知し、踏み間違いによる誤発進抑制や衝突回避をサポートする。
総合的に見ると、CX-8はグレードによる装備差が大きいのに対し、ZR-Vは全車標準装備が充実している点が特徴といえる。
大らかな乗り味のCX-8と俊敏でスポーティなZR-V
▽7.走行性能の比較
・CX-8(KG系)の評価は4.0
・ZR-V(RZ系)の評価は4.0
CX-8(KG系)のパワートレインの最高出力、最大トルクと車両重量は以下のとおり。
・2.5L直4エンジン:190ps/252N・m
・2.5L直4ターボエンジン:230ps/420N・m
・2.2L直4ディーゼルターボエンジン:200ps/450N・m
※車両重量:1730~1920kg
ZR-V(RZ系)のパワートレインの最高出力、最大トルクと車両重量は以下のとおり。
・1.5L直4ガソリンターボエンジン:178ps/240Nm
・2.0L e:HEV:141ps/182Nm(エンジン)、184ps/315Nm(モーター)
※車両重量:1460~1630kg
▽CX-8はマツダらしい人馬一体の運転フィールは健在
CX-8は、フラッグシップSUVという位置付けもあり、高級車のようにフラットで快適な乗り心地が特徴だ。2930mmのロングホイールベースにより直進安定性に優れ、クルーザーのように穏やかな乗り味を実現している。
一方で、マツダ車の持ち味である“人馬一体”の感覚も失っていない。シャープさ一辺倒のハンドリングではないものの、ドライバーがステアリングを切った分だけ素直に反応し、正確に曲がる。全長4925mmのFF(前輪駆動)ベース大型SUVとは思えない自然な身のこなしだ。
さらに、加速時や減速時に発生しがちな前後方向のピッチングは巧みに抑えられており、無駄な揺れが少ない。長距離移動でも疲労が蓄積しにくい点も大きな魅力だ。これらの安定した挙動は、マツダの車両制御技術「G-ベクタリング コントロール プラス(GVCプラス)」の効果によるところが大きい。
人気の高い2.2L直列4気筒ディーゼルターボ+6速ATのパワートレインも、いまなお高い実力を誇る。最大トルク450N・mを低回転域から発生するため、車両重量のあるCX-8でも余裕ある加速が可能だ。特に高速クルージングではディーゼルの特性が活き、エンジン回転数を抑えたままスムーズに巡航できる。
走行状況や運転スタイルによっては、カタログ燃費を上回る実燃費を記録するケースもある。力強さと燃費性能を高いレベルで両立している点から、CX-8では最もおすすめしやすいエンジンといえる。
▽ZR-Vは背の高いSUVであることを感じさせない軽快でスポーティな走り
ZR-Vのハイブリッドモデル「e:HEV」は、2.0Lエンジンに発電用モーターと駆動用モーターを組み合わせた2モーター式ハイブリッドだ。基本はエンジンを発電用として使用するシリーズハイブリッド方式を採用している。
ただし、高速道路などでエンジン負荷が低く、モーター走行よりもエンジン直結のほうが効率的だとコンピュータが判断した場合には「エンジン直結モード」に切り替わる。この点は、同じシリーズ方式を採用する日産のe-POWERとは異なる特徴だ(e-POWERは基本的にエンジン直結を持たない)。
ZR-Vに搭載されるe:HEVは、従来型に比べて市街地でのモーター走行領域を約20%拡大。基本的にモーター主体で走行するため、ガソリン車よりアクセル操作に対するレスポンスに優れ、発進から中速域まで力強くスムーズな加速を味わえる。高速道路でも山道でも、気持ちの良いドライビングフィールを提供してくれる。
ZR-Vのもうひとつの魅力は、優れたハンドリング性能と快適な乗り心地の両立だ。ドライバーのステアリング操作に対して素早く正確に反応し、狙ったラインをトレースしやすい。この操縦安定性は、国産ミドルサイズSUVの中でもトップレベルといえる。背の高いSUVとは思えない機敏さを持ちながら、足まわりはしなやかで快適性も高い。
一方、CX-8とZR-Vでは走りのキャラクターが大きく異なる。CX-8は高速道路主体のロングドライブを得意とするクルーザータイプ。対してZR-Vは、ワインディングロードなどを軽快に走る楽しさを重視したモデルだ。そのため、購入前にはじっくり試乗し、自身の使用環境や好みに合ったモデルを選ぶことが重要となる。
なお、悪路走破性の目安となる最低地上高は、CX-8が200mm、ZR-Vが190mm。いずれも都市型SUVとしては十分な数値を確保している。