カタログ燃費値では、シエンタ(10系)が優勢
▽燃費比較
・フリード(GT系)の評価は4.0
・シエンタ(10系)の評価は4.5
【フリード(GT系)1.5L ガソリン】
・駆動方式:2WD
・燃費(WLTCモード):16.3~16.5km/L
・車両重量:1370kg
・駆動方式:4WD
・燃費(WLTCモード):14.4~14.5km/L
・車両重量:1470kg
【フリード(GT系)1.5L e:HEV】
・駆動方式:2WD
・燃費(WLTCモード):25.3~25.6km/L
・車両重量:1460kg
・駆動方式:4WD
・燃費(WLTCモード):21.1~21.3km/L
・車両重量:1580kg
【シエンタ(10系)1.5Lガソリン(4WDなし)】
・駆動方式:2WD
・燃費(WLTCモード):18.3~18.4km/L
・車両重量:1270~1300kg
【シエンタ(10系)1.5L ハイブリッド】
・駆動方式:2WD
・燃費(WLTCモード):27.6~28.4km/L
・車両重量:1330kg
・駆動方式:4WD
・燃費(WLTCモード):24.8km/L
・車両重量:1420kg
フリード(GT系)とシエンタ(10系)のカタログ燃費値を比較すると、ガソリン車、ハイブリッド車ともに、シエンタが一歩リードしていることが分かる。
この差は、ハイブリッドシステムの方式の違いも影響しているが、より大きな要因のひとつが車両重量だ。ハイブリッド車同士で車重を比べると、フリードはシエンタよりも約130〜160kg重い。これだけの重量差があれば、燃費性能に差が生じるのは自然な結果と言えるだろう。
同様の傾向はガソリン車でも見られることから、燃費差の主因はハイブリッドシステムそのものの重量というより、車両の基本構造、すなわちプラットフォームの重量差にあると考えられる。
コスパに優れるシエンタ(10系)、内装の質感が良いフリード(GT系)
▽価格比較
・フリード(GT系)の評価は3.0
・シエンタ(10系)の評価は4.0
フリードとシエンタの最上級グレードの価格は下記の通り。
【ホンダ フリードe:HEV クロスター】
・4WD/6人乗り:360万2500円
【トヨタ シエンタ ハイブリッドZ】
・4WD/7人乗り:332万2000円
フリードの最上級グレードであるe:HEV クロスター4WD(6人乗り)と、シエンタの最上級グレードであるハイブリッドZ 4WD(7人乗り)を比較すると、車両価格の差は約28万円となり、フリードのほうがやや高価だ。
両車ともに燃費性能に優れた1.5Lエンジンのハイブリッドシステムを搭載しており、システム構成こそ異なるものの、基本的なパワートレインの方向性は共通している。装着されるタイヤサイズも、ともに185/65R15と同一だ。ただし、フリードは15インチアルミホイールを標準装備しているのに対し、シエンタはスチールホイールが標準で、アルミホイールはオプション設定となる。
快適装備に目を向けると、シエンタ ハイブリッドZ 4WD 7人乗りは、10.5インチディスプレイを採用したディスプレイオーディオ(コネクティッド・ナビ対応)Plusを標準装備している。一方、フリード e:HEV クロスター4WD 6人乗りでは、この装備はオプション扱いだ。また、車内の空気を循環させる天井サーキュレーターは、シエンタではオプション設定が用意されているが、フリードには設定自体がない点も違いとして挙げられる。
シート表皮については、フリードがプライムスムースとファブリックを組み合わせたコンビシートを標準装備しているのに対し、シエンタは消臭・撥水撥油機能を備えたファブリックシートを採用している。質感を重視するフリード、実用性を重視するシエンタという性格の違いが表れている部分だ。
使い勝手の面では、シエンタが優位な装備も多い。シエンタは、キーを携帯していればフロントドア下側に足を出し入れするだけでドアが自動開閉するハンズフリーデュアルパワースライドドアを採用しており、荷物を持った状態でも乗り降りしやすい。
運転支援システムについては、フリードはホンダ独自のホンダセンシングを全車に標準装備。衝突軽減ブレーキ(CMBS)を含む15の機能でドライバーを支援し、後退車庫サポートやアダプティブドライビングビームはオプション設定となっている。
一方、シエンタは最新のトヨタセーフティセンスを全車に標準装備。衝突被害軽減ブレーキのプリクラッシュセーフティでは、車両、歩行者、自転車運転者に加え、自動二輪車(昼間)まで検知対象を拡大し、交差点での支援にも対応している。さらに、運転状況に応じたリスクを先読みして操作を支援するプロアクティブドライビングアシストを採用。加えて、縦列駐車や車庫入れ時の操作を車両が支援する高度運転支援機能として、トヨタチームメイトのアドバンストパークも設定されている。
運転支援機能の基本的な部分は両車で大きな差はないが、オプションを含めた先進性という点では、シエンタのほうが一歩踏み込んだ内容と言える。
GT系フリードに標準装備で、10系シエンタに装着されていない主な装備は以下の通り。
・15インチアルミホイール
・合成皮革を使用したコンビシート
・シートヒーター機能
一方、10系シエンタに標準装備で、GT系フリードに装着されていない主な装備は以下の通り。
・ディスプレイオーディオ(コネクティッド・ナビ対応)
・天井サーキュレーター
・ドライブレコーダー
最上級グレード同士の価格差は約28万円でフリードのほうが高額となるが、装備内容を総合的に比較すると、標準装備の充実度という点ではシエンタのほうがややコストパフォーマンスに優れる印象だ。一方で、内装の質感や装備の方向性を重視するユーザーにとっては、フリードにも十分な魅力があると言える。
両車とも値引き額は、まだ渋めの様相
▽購入時の値引き術
・フリード(GT系)の評価は3.5
・シエンタ(10系)の評価は3.5
フリードは人気モデルということもあり、新車の納期はおおむね2〜4か月程度と、やや長めの傾向にある。その影響もあって、新車の値引き額は0〜20万円前後と、やや渋い水準にとどまっているのが実情だ。
ただし、フリードはホンダの登録車の中でも販売台数トップクラスを誇る主力モデルであり、シエンタと販売台数を競い合う存在でもある。そのため、商談の際にシエンタをしっかりと競合車として提示することで、値引き額の上積みが期待できるだろう。
一方のシエンタは、デビュー当初から長期間にわたり、1年を超える納期が話題となったモデルだが、現在では納期もほぼ通常水準に戻りつつある。加えて、フリードよりもモデルライフがやや長いことから、値引き額は徐々に拡大する傾向にあるようだ。
さらに、時期的にはマイナーチェンジが視野に入るタイミングでもあり、条件次第では大幅な値引きが期待できる可能性もある。こちらも、フリードとしっかり競合させることが、好条件を引き出すためのポイントとなる。
なお、新車の値引き額ばかりに目が行きがちだが、下取車の売却価格も総支払額を左右する重要な要素だ。ディーラー下取りだけでなく、買取専門店などでも査定を行い、両車の商談条件とあわせて比較することをおすすめしたい。
仮に新車値引きを数万円引き上げられたとしても、下取価格が相場より安ければ意味が薄れてしまう。最終的には、最も高い買取価格を提示した先に売却することが、賢いクルマ選びにつながる。