フリードやシエンタのようなコンパクトミニバンは、今やファミリーカーの代名詞と言える存在となっている。そんな人気モデル「フリード」の新旧モデル(2代目と3代目)を、燃費や価格、内装といった観点から徹底比較。新車・中古車購入時の参考にしてほしい。
ホンダフリードの歴史・概要
・初代:2008年~2016年
・2代目(旧型)※今回比較の旧型:2016年~2024年
・3代目(GT系)※今回比較の新型:2024年~
▽2代目フリード
2代目フリードは、ライバルに先駆けて運転支援機能「ホンダセンシング」を採用。さらにハイブリッドモデルに4WD車を設定するなど、高い商品力で多くのユーザーに支持されてきた。
乗り降りのしやすさに直結するステップ高は、390mmと低く、フロアとの段差もなく優れた乗降性を実現。コンパクトミニバンに求められる多彩なシートアレンジにも対応しており、サードシートには左右跳ね上げ式を採用している。
パワートレインは1.5L直4ガソリンエンジンと、モーターを組み合わせたハイブリッドシステム(SPORT HYBRID i-DCD)の2種類。駆動方式はガソリン車・ハイブリッド車ともに2WDと4WDを設定しているのが特徴だ。
安全運転支援システムとして、ホンダセンシングを装備。以下を含む8つの機能によってドライバーをサポートする。
・衝軽減ブレーキ
・アダプティブクルーズコントロール(先行車との車間距離を一定に保ち追従走行)
・線維持支援システム(車高速道路などで車線のセンターを走行できるようにサポート)
・誤発進抑制機能(アクセルとブレーキを踏み間違えても急発進しない)
2代目フリードは、2019年10月にマイナーチェンジを実施。クロスオーバースタイルの新グレード「クロスター」を追加するとともに、後方誤発進抑制機能を追加した。アダプティブクルーズコントロールのの加減速制御も改良され、より滑らかな制御となった。
パワートレインの構成に変更はなく、「B ホンダセンシング」を除くすべてのグレードに4WDを設定。WLTCモードでの燃費性能は15.6~20.8km/Lを達成している。
乗車定員は基本的に6人乗りだが、ハイブリッドG ホンダセンシング(2WD)、およびガソリン車のGグレードでは、2WD・4WDともに7人乗り仕様を選択できる。
また、ホンダのミニバンとして初めて「ステップダウンシフト制御」を採用。下り坂などでシフト操作をせずに、一定のブレーキ操作のみでエンジンブレーキを併用したスムーズな減速が可能となっている。この制御により、走行状況に応じたダウンシフトを自動で行い、エンジン回転を最適に保つことで、より滑らかな走りを実現している。
フリード(2019~2024年式)の中古車在庫をチェックする
▽3代目フリード(GT系)
3代目フリード(GT系)は、2024年6月に登場。内外装デザインの異なる「エアー」と「クロスター」の2モデル体系を設定し、6~7人乗りの3列シート仕様を中心にラインアップ。なお、5人乗り仕様はクロスター専用で設定されている。
この5人乗り仕様は、旧型の「フリード+(プラス)」のコンセプトを継承。リアの荷室開口高が低く設定されており、高いユーティリティ性を誇る。
ボディサイズは、全長4310mm×全幅1695mm(クロスターは1720mm)×全高1755mm。エアーは5ナンバーサイズを維持しているが、クロスターはホイールアーチプロテクターの装着により全幅が1720mmとなり、3ナンバー登録となっている。
パワートレインは2種類。ひとつは、最高出力118ps・最大トルク142Nmを発生する1.5L直列4気筒DOHC i-VTECエンジンを搭載したガソリンモデル。もうひとつは、1.5Lガソリンエンジンに充電・駆動用の2モーターを組み合わせたシリーズ式ハイブリッド「e:HEV」だ。e:HEVは高出力106ps、最大トルク127Nmのモーター性能を誇る。
駆動方式は2WDが中心だが、ハイブリッド車には4WDも設定されている。燃費性能(WLTCモード)は、ガソリン車で14.4~16.5km/L、ハイブリッド車で21.1~25.6km/Lと、ハイブリッドの燃費性能が際立っている。
運転支援機能としては、ホンダ独自の先進安全技術「ホンダセンシング」を標準装備。衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめ、全15機能でドライバーをサポートする。また、オプションとして後退車庫サポートやアダプティブドライビングビームも選択可能だ。
さらに、車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダ コネクト)」を搭載。対応するナビやオーディオをディーラーオプションで設定可能で、オペレーターによる「緊急サポートセンター」や車内Wi-Fiなど、安心・便利な「Honda Total Care プレミアム」の各種サービスを利用できる。
2025年には、1月にハイブリッド車、3月にガソリン車で一部改良を実施。新たに採用された外装塗料は、従来のアクリルメラミンクリア素材に比べて光沢が向上し、耐久性も1.5倍以上に強化されている。
加えて、アダプティブドライビングビーム、後退車庫サポート、マルチビューカメラシステム、LEDアクティブコーナリングライトといった運転支援装備が、全グレードで選択可能となった。