60代女性のAさんは、久しぶりの旅行で新幹線を利用しました。 スーツケース置き場は上の段しか空いておらず、足腰が弱いAさんはスーツケースを足元に荷物を置いていたため、シートとスーツケースの間に足が挟まる状態になってしまいます。
そこで前の席に座っている人に対してリクライニングを少し戻してほしいとお願いしました。しかし前の席の人からは無視されてしまい、仕方なくAさんは目的地に到着するまで、窮屈な状態で耐えることにします。 目的地に着くころにはすっかり疲れてしまったAさんに対して、前の席の人は「よく寝た~」と快適そうにしているのを見て、Aさんは不満を感じるのでした。
Aさんのように窮屈な思いをして新幹線に乗る人は少なくありません。では、そもそも新幹線のリクライニングは、どこまで倒すことを想定しているのでしょうか。
またAさんのようにトラブルになった場合は、どう行動すべきなのでしょうか。JR西日本の担当者に聞きました。
お客様同士が譲り合ってご利用してほしい
ーリクライニングシートはどの程度倒すことを想定した設備でしょうか?
新幹線の座席は、長時間の移動でも快適に過ごしていただけるよう、一定の角度までリクライニングできる設計となっています。基本的にはお客様の快適性に応じてご利用いただけます。
ーリクライニングシートを倒す際の声かけや配慮について、お客同士でどのように対応するべきでしょうか?
座席を倒す際に、後ろのお客様が食事中や作業中であるなど、スペースが限られる場合もございます。状況に応じて一言お声がけいただくなど、お客様同士が譲り合ってご利用いただけるようご配慮いただければと考えております。
ーAさんのようなケースの相談はございますか?また、その際の一般的な案内があれば教えてください。
前の方がリクライニングを倒した際に、後ろの席の方が使用していた背面テーブル上のもの(PC/飲料等)に当たった、といったトラブルは聞いたことがあります。お困りの際は乗務員にお声がけください。
JR東日本とJR東海からの回答
また、JR東日本の担当者にも話を聞きました(以下「」内、JR東日本担当者の回答)。
「弊社では、座席をリクライニングする際に必要となる空間は、前後のお座席で共有いただくものとして、お客さま同士が譲り合いながらご利用いただくようお願いしております。
また、座席のリクライニングに関するマナーにつきましては、お客さまからさまざまなご意見を頂戴しておりますが、基本的には上記のとおり、譲り合ってご利用いただくようご案内しております」
さらにJR東海の担当者にも話を聞きました(以下「」内、JR東海担当者の回答)。
「リクライニングのご利用に関して、具体的なルールなどは設定しておりませんが、ご利用の際は、後ろのお席のお客様の様子にご留意いただくようご理解とご協力をお願いしております。快適な車内環境づくりにご理解ご協力をお願いいたします。
車内にてお困りごとがございましたら、巡回中の乗務員やパーサー、警備員に遠慮なくお知らせください。なお、マナーを逸脱するような場面に遭遇された際も、同様に遠慮なくお知らせください」
各社の回答を総合すると、リクライニングの可否や角度について明確な線引きはありません。しかし、前後の座席で空間を共有しているという意識を持ち、譲り合いながら利用することが共通して呼びかけられています。