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20年かけコツコツ貯めた1000万円…銀行破綻時に本当に戻らない〝超過分〟の真実【ファイナンシャルプランナーが解説】

八幡 康二 八幡 康二

長年コツコツと働き、冬のボーナスでいよいよ預金残高が1000万円を超えそうなCさん。老後を見据えた貯蓄としては、ひとまず安心できる数字かもしれません。給与振込口座のある地元の銀行にまとめて預けており、管理が楽だからという理由で銀行を分けることは考えていませんでした。

ところがある日、Cさんは妻から「銀行がもし潰れたら、1000万円を超えた分ってどうなるの?」と聞かれ言葉に詰まりました。「1000万円までは保護される」という話は知っていましたが、それを超えた部分がどう扱われるのかまでは理解していなかったのです。

1000万円を超えた分の預金は、もし銀行が潰れてしまった時に1円も戻ってこないのでしょうか。それとも何か対策はあるのか、わかっているようで実はよく知られていないのが「ペイオフ(預金保険制度)」です。

そこで、元銀行員で現在はファイナンシャルプランナーとして活動する橋本ひとみさんに話を聞きました。

大切なお金を守るために、基準を考える

ーそもそもペイオフとはどのような制度なのでしょうか

ペイオフは、銀行などの金融機関が破綻した場合に預金者を保護するための制度です。原則、1つの金融機関につき預金者1人あたり「元本1000万円までとその利息」が保護されます。

ここで誤解されやすいのが「1000万円を超えた分は本当にすべて戻らないのか」という点です。実際には、銀行の破綻後に資産の整理が行われ、残余財産があれば一部が戻る可能性はあります。ただし全額戻る保証はなく、時間もかかるため確実に守られるのは1000万円までと考えておく必要があるでしょう。

ー銀行を分ける以外に、預金を守る方法はありますか?

あまり知られていませんが「決済用預金」と呼ばれる口座を利用する方法があります。決済用預金口座では、無利息である代わりに1000万円を超えても全額が保護されます。難しく考える必要はなく、口座を作る時に普通預金や定期預金と区別するのと同じで、決済用預金があると思ったらいいです。銀行をいくつも分けるのは面倒という方にとっては、有効な選択肢の一つとなるでしょう。

ー元銀行員の立場から見て、決済用預金のデメリットはありますか?

最大のデメリットは、やはり利息がつかないことです。これまで長く続いたゼロ金利の時代であれば、安全性を重視して決済用預金を選ぶ個人も少なくありませんでした。実際「どうせ利息はほとんどつかないのだから」と割り切れる状況だったからです。

しかし最近は金利が上昇しており、状況は少し変わってきています。仮に1000万円を年1%で預けた場合、税引き後でも約8万円の利息がつく計算になります。この金額は、決して無視できるものではありません。

そのため、決済用預金を選ぶ場合は「利息を得られないこと」と「全額保護される安心感」を天秤にかけて考える必要があります。

例えば、すべてを決済用預金にするのではなく、生活費や当面使う予定のない資金を分けて管理するなど、自分の資産状況に合った使い分けもいいですね。

銀行が潰れることは滅多にないと考える気持ちも理解できますが、預金額が1000万円を超えてくると万が一の影響は決して小さくありません。一つの銀行に集中させないこと、あるいは決済用預金という仕組みを知っておくことが、長年守ってきた資産を守る現実的な方法だと思います。

◆橋本ひとみ(はしもと・ひとみ) 銀行勤務12年を経て、現在は複数企業の経理代行をおこなう 。法人営業や富裕層向け資産運用コンサルティングの経験に加え、ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士の資格を持つ。

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