多様性の尊重が叫ばれる現代ですが、性別による不公平を感じたことはありますか。株式会社ライフマップが行ったアンケート調査で、高校生の大多数が「同性のパートナーを選ぶ」「性別を変える」といった多様な性の選択肢を受け入れようとしている一方、日常生活の中で性別による格差も実感していることが明らかになりました。
進学情報サイト「コレカラ進路.JP」を運営する株式会社ライフマップが、全国の高校生155人を対象に2025年8、9月に調査しました。
「ジェンダーギャップ」や「ジェンダー平等」という言葉を知っていますか?という質問したところ、「知っていて関心がある」(43.9%)、「知っているが関心はない」(38.7%)、「聞いたことはあるがよく知らない」(13.5%)、「知らない」(3.9%)という結果でした。
8割以上が「性別による不公平」を日常で経験
「世の中には、性別によって不公平がある」と感じたことがあるか尋ねたところ、「時々ある」(61.3%)と「よくある」(19.4%)を合わせて、80.7%の高校生が不公平を感じた経験がありました。
具体的な場面としては、「男らしさ/女らしさなどの言動に対する違和感」が55.2%で最も多く、「進路や職業に関するイメージ」(48%)、「メディアやSNSでの表現」(41.6%)が続きました。ジェンダー格差への気づきが、高校生の段階で日常的に芽生えていることがわかります。特に進学や将来を考える時期だからこそ、リアルにこれらの課題を実感しているようです。
「性別に関係なく生きやすい社会になっていると思いますか?」との問いには、「やや思う」(48.4%)、「あまり思わない」(27.7%)、「とても思う」(20.6%)、「まったく思わない」(3.2%)という結果でした。
高校生の多様性への向き合い方:約9割が肯定的
「もし友人や身近な人が『同性のパートナーを選ぶ』『性別を変える』といった選択をしたらどう感じますか?」との問いに対し、「とくに気にしない、自然なことだと思う」という回答が56.1%と最多でした。「最初は驚くかもしれないが、受け入れられると思う」が33.5%にのぼり、9割が性の多様性を肯定的に受け止めていました。
「ジェンダーに関する社会問題で関心のあるものを教えてください」という質問に対し、最も多かったのは「働き方の不平等さ」(54.2%)でした。続いて「LGBTQ+への理解や配慮、社会の対応」(38.1%)、「男/女らしさなどの価値観による生きづらさ」(37.4%)、「性的ないじりなどのハラスメント」(34.2%)、「生理など性別に関係する健康面の扱われ方」(34.2%)、「メディアやSNSでの性別イメージの押しつけ」(33.5%)でした。
世代間ギャップへの課題意識
「これからの社会が性別に関係なく生きやすくなるために何が大切か」という問いには、高校生から意欲的な意見が寄せられました。「受け入れることが難しくても、知識をつけたり理解しようとする姿勢を持つ」(高校3年生)、「自分の意見は持ちつつも、相手を尊重して批判しないこと」(高校2年生)など、相互理解への前向きな姿勢が目立ちます。「今の高校生はあまり偏見を持っている人が少なく、偏見が多いのは親世代だと感じる。それが解消されたら子供たちはもっと暮らしやすくなると思う」(高校1年生)という指摘も。自分たちの世代の柔軟性を認識しつつ、親世代との価値観ギャップをどう埋めるかが、今後の大きなテーマになることが示唆されています。
調査から浮かび上がるのは、ジェンダー問題への高い意識と、多様性を受け入れようとする姿勢を備えた世代の姿です。社会全体が、こうした若い世代の声と提言をどのように活かしていくかが問われています。
【出典】
株式会社ライフマップ
https://lifemap.jp/