航空機内の収納棚から貴重品が盗まれる事件が増えています。各国にある日本大使館などでも、今年に入りたびたび注意を呼びかけています。
貴重品は収納棚に入れない
在ホーチミン日本国総領事館は5月以降、飛行機内に持ち込んだ手荷物の盗難が増えていると報告。具体例は「シンガポール発ホーチミン行の航空機内にて、機内に持ち込んだ手荷物内(機内収納棚)より財布の盗難に遭った他、財布内に入っていたクレジットカードを不正使用された」「日本発ホーチミン行の航空機内にて、機内に持ち込んだ手提げ鞄内(機内収納棚)より財布の盗難に遭い、現金数十万円が盗まれた」など。「貴重品は絶対に収納棚に入れることなく、ご自身の身の回りにて保管してください」と呼びかけています。
対策として、次の3点を挙げています。
◾️貴重品を入れた手荷物を収納棚に入れない。肌身離さず自分から見える範囲で保管する
◾️トイレなどで席を立つときも貴重品を座席付近に置きっ放しにしない
◾️消灯後はより一層、貴重品の管理を行う
また、在インドネシア日本国大使は12月、公式サイトに注意喚起のお知らせを掲載。ジャカルタ・スカルノハッタ国際空港の成田行き航空便の搭乗ゲートで、搭乗前の旅客のハンドバッグが別の旅客に盗まれた事件を紹介しました。「航空機内や搭乗ゲートであっても盗難等の犯罪が発生する可能性があります」と警告し、「機内において就寝する際や洗面所に立つ際には、貴重品は肌身離さず持ち、座席上の棚や座席前のテーブル、ポケットには置かないようにしてください」と注意を促しました。
千葉県警では11月末、航空機内での窃盗事件の増加に伴い、成田空港で航空機内窃盗撲滅キャンペーンを実施。搭乗中は貴重品を身につけるよう呼びかけました。
旅慣れた人たちの対策は?
ネット上には不用心な声があるのも確かです。「トイレまでわざわざ財布を持って行かないよね?」「テーブルに置いたまま」など。そんな声を受け「鍵のないバッグに貴重品を入れて収納棚に置く日本人が多い気がする」「日本人はカフェでもPCを置きっぱなしでトイレに行くから。信じられない」と心配する人たちも。
旅行好きや海外在住の日本人など、搭乗回数の多い人たちは自身のアカウントで機内の防犯対策を公開しています。抜粋して紹介します。
・貴重品、特に財布は絶対に棚に入れない
・財布、パスポート、旅客券はベストのポケットに入れている
・飛行機に乗るときはポケット多めのベストを着て、貴重品は身につける
・貴重品は常にショルダーバッグに入れて身につける
・トイレの時も貴重品は巾着に入れて持っていく
・パソコンはカバンごと足元に置く。トイレに行くときは全て持っていく など
年末年始、飛行機を利用する人はご注意を。