飼っているペットがキッチンに入ることは、日常によくある光景といえます。しかしそんな日常風景が、ちょっとした油断から大惨事となる可能性もあります。そんな大惨事になりかけ、ペットの焼死をガス会社の「コラム記事」の呼びかけに救われたという60代女性に話を聞きました。
──まず、ペットの種類と、どのような状況だったのか教えてください。
ペットは4歳のオス猫で、キジトラのミックスです。いつもはキッチンにある猫用スペースに座って、私が料理をしたり猫のおやつの準備をするのを見ているようなおとなしい子でした。
ただその日は普段歩かないガスコンロの上に移動していました。私の持っていたおやつが気になってしまったようです。
──それは危ないですね。どのように対応しましたか?
私はその様子に気づいて、いつものようにすぐ降りるように叱りました。叱られた猫は、驚いてガスコンロから降りようとしたのですが、場所が悪くガスコンロのスイッチを前足で押してしまいました。しかも胴体はまだガスコンロの上だったのです。
私は思わず声にならない声をあげ咄嗟に猫を払いのけようとしたのですが、よく見ると猫は特に火傷もなく無事でした。
実は、東京ガスの暮らしに役立つ情報コラムで『ガスの元栓は閉めるべき?元栓の開け方閉め方と点検の大切さ』という記事を読んだことをきっかけに、数カ月前からガスの元栓を閉める習慣にしていたのです。
──もしコンロの火がついていたら大変なことになっていましたね。
そうですね。火が付いたら動物は走るでしょう。暴れる猫をどう助ければいいのか、想像しただけでも恐ろしいですし、その後家具に火が燃え移ったら火災にもなったと思います。
正直、ガスの元栓を閉めることでペットを守れるとは考えていませんでしたが、この習慣のおかげで大切な命を守ることができました。コラムには本当に感謝しています。
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ガスコンロにはキッチンに埋め込まれたビルトインタイプと、置くタイプのガステーブルタイプがあります。ビルトインタイプでのガスの元栓は一見どこにあるのか分かりませんが、コンロの下の収納にあることが多いです。ガステーブルタイプは、コンロの周囲の壁などに元栓があります。
大型犬や小さいお子さんがいる人でスイッチの誤作動が心配な場合は、使用後の元栓を閉めることがトラブル防止に役立つといえます。この機会に自宅コンロの元栓について確認してみてはいかがでしょうか。