「研ぎ澄まされた日本刀は姿を隠す
(´・ω・`).。o○(本当は自然の中で出来たら。。。」
暗闇の中、鋭い光を放つ日本刀が少しずつ見えなくなっていく…そんな様子を映した動画が「X」で大きく注目されました。刀剣を握る手が刃をゆっくりと手前に倒していくと、漆黒にとけ込むようにその姿は消えていきます。投稿には記事執筆時点で8.3万件ものいいね、がつきました。
「惚れ惚れするほど美しいですね」
「スゲェ!!本当に刀身が消えた ここまで見えなくなるんだ!!」
「美しい画像を見せて頂き、ありがとうございます 心が凛としました。 日本刀は、やはり素晴らしいです」
「美しいと思うと同時に、ゾクっとした。 こんな風に周囲に溶け込むものなんですね。」
その美しさを称える声が届いています。
動画を投稿したのは日本刀の販売サイト「美術刀剣 刀心」(兵庫県・川西市)(@toushin1)の公式アカウントです。アカウントの担当者である澤田さんに、今回話題になった動画について詳しい話をお聞きしました。
驚きの撮影方法は!?
――「美術刀剣」とはどういう刀のことですか。
本物の刃がついている真剣で、美術的に価値が高い日本刀ということですね。武術武道の稽古で使われる模造刀・模擬刀とは根本的に別のものになります。古いものですと、当店では南北朝時代に遡るものも扱っております。
――「美術品」でもあるのですね。
日本刀は刃物であり武器でもあるのですが、今の時代においては美術品として扱われることが多く、そのため教育委員会からの登録証は必要ですが、年齢・性別問わず誰でも購入いただけるものになります。また古刀の再現を目指した日本刀の制作は多くの刀鍛冶さんが今も日々挑戦し続けていらっしゃいますが、そうやって出来上がった日本刀も「模造刀」ではなく同じく本物の「真剣」です。
――今回、動画の中でどうして日本刀は一瞬「消えて」しまったのですか?
綺麗に研がれた日本刀というのは表面が鏡のように光を綺麗に反射させます。そしてその作用で光を反射して動画のように見えなくなっています。
――撮影方法もぜひ教えてください。
こちらの動画を撮影した部屋は当店で扱っている日本刀を撮影するための部屋でして、撮影時も非常に明るい状態で撮影しました。ですが、日本刀の下部に普段撮影時に使う黒布を置いてあり、持っている日本刀の角度を変えていくと、その布を日本刀が写した時に照明により明るく光っていた日本刀が画面上から一瞬「消えた」ような見え方をしています。
――動画が大きく拡散しました。
当店のアカウントは私を中心として数人のスタッフが管理をしています。私達はこのアカウントで日本刀の魅力を伝える、見た方が日本刀に興味を持ってもらえることを目標に日々考え試行錯誤しながら"X"にて投稿しています。
その中で今回"X"にて今までになく多くの方からのご反響をいただき、またこれを機に日本刀に興味を持ってくださった方も中にはいらっしゃったようで、私としては日々の努力がこういった目に見える形で返ってくることが非常に嬉しく感じます。
――励みになりますね。
今後も同じように多くの方に日本刀の魅力を伝えられるような、興味を持ってもらえるような投稿を日々していくつもりです。また今回とは違ったアプローチで多くの方に興味を持っていただけるような投稿も出来たらと思っております。
「闇夜や自然の中での撮影もしてみたい」
リプライ欄で「どこかの場所を借りて、もっと綺麗な自然の中で景色と同化するような綺麗さもいつか撮れたら良いのですけどね」とも答えていた澤田さん。今後の構想についてお聞きすると「機会を作り闇夜や自然の中での撮影ももちろんしてみたいと考えています。が、おそらくそうした場合、今回と同じように周りに溶け込むこともできると思いますが、逆に溶け込むのではなく日本刀が周りの景色に対して主張をしている美しい写真も撮影できるのではと思っている次第です」と話してくれました。日本刀の新たな魅力を知らしめるような動画を撮影してくれる日が楽しみですね。
【株式会社 刀心】
店舗名|「美術刀剣 刀心」
所在地 |兵庫県川西市萩原3-1-16
TEL|080-2514-1044
※実店舗を訪れる際は、要事前予約
X|https://x.com/toushin1
HP|https://nihontou.jp/