一生「青色」が点灯しない信号機…その理由は? 市街地にある大きな交差点で導入、 歩行者の安全を守る狙い

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 島根県の県庁所在地・松江市の中心部にあるJR松江駅方面から、くにびき大橋を渡って市街地を北進すると、一度も「青信号」にならず、赤・黄色と矢印灯器のみが点灯する信号機が連続する。3色が光る通常の信号機と何が違い、どんな狙いがあるのか…。

 信号機はくにびき道路の通称で知られる幹線道・県道21号沿いに、南から「北公園南」「総合体育館前」「付属中前」「菅田」の四つが並ぶ。いずれも車、人ともに通行の多い交差点だ。

 「総合体育館前」は、マクドナルドや山陰合同銀行くにびき出張所、ケンタッキーフライドチキンが角にあり、多くの車や歩行者、自転車が行き交う。

 南北を通るくにびき道路の三色灯器は常に赤のままで、南北側が動きだすタイミングで直進と左折の矢印が点灯する。しばらくして歩行者用の信号機が赤に変わると、右折のみの矢印に切り替わる。

 島根県警交通規制課によると、これらの信号機は「右折車両分離(一部)」と呼ばれる方式で運用される信号機だ。いずれも2014年3月に導入され、右折車と歩行者の接触防止を図っている。

 直進と右左折の全てが可能となる青信号を点灯させず、赤信号のまま、矢印灯器を用いて「直進車、左折可能」と「右折可能」の2種類に進行タイミングをずらす。歩行者用信号機は、車の「右折可能」時に赤信号をともすことで、歩行者が右折車に巻き込まれる機会をなくす。

 規模の大きな交差点は、右折車が横断歩道に到達するまでに時間がかかる上、車はスピードがついた状態で横断歩道に進入する。右折のタイミングを計ることに気を取られ、歩行者や自転車を見失うリスクが高まるほか、衝突したときのダメージも大きくなる。こうした事故の機会を根本からなくし、歩行者を保護する狙いがある。

 島根県警交通規制課によると、青信号が点灯しない三色灯器がある信号機は、松江、安来、益田3市の少なくとも12カ所にある。設置理由はさまざまで、事故防止や交通の流れをスムーズにするなど地点ごとに狙いがあるという。

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