5月11日、通常なら北極圏、南極圏でしか見られないオーロラが日本各地で観測され話題になった。これは太陽の表面で起こる太陽フレアの影響だといわれているが、どうやら江戸時代にも日本でオーロラが観測されたことがあるようだ。
今、SNS上で話題になっているのは
「江戸時代に日本で観測されたオーロラ。この時も太陽フレアが大きかったのだろう。
坊主が念仏を唱えたり、火事に違いないと屋根に水をかける人がいたり、混乱している様子がうかがえる。」
とteradaさん(@terada50397416)さんが紹介した絵図。
この絵図は江戸時代の尾張藩士で浮世絵師として活躍した高力種信(1756~1831)が、1770年に各地で観測されたオーロラについて描いた『猿猴庵随観図絵』の一部。空一面に浮かんだ赤い光の束に慌てまどう人々の姿とともに「七月二十八日夕方。北の空がうっすら赤くなった。遠くの火事かなぁって噂してるうちに段々色が濃くなって夜になるとまるで満月のように明るくなった。午後九時過ぎには赤さはとんでもなくなって、中に白い竿みたいな筋が何本も見えるようになってきた」(※teradaさん現代語訳)などといった説明文が書き込まれている。
投稿者さんに聞いた
ーーこの絵図をご覧になって。
terada:江戸時代の人たちにとって、オーロラは未知の現象だったのでしょう。今では考えられないほどの恐怖があったのだろうと思います。書き込まれた文には、「世が滅するのではないか」という意味の記述もあるので、なんの実害も無いにもかかわらず災害のように見えていたようです。
ーー反響への感想を。
terada:江戸時代のオーロラについては、他のサイトなどでももっと詳しく取り上げられていますし、詳細について書かれた論文などもあります。その中でこの投稿が何故注目されたのかはよくわかりませんが、おそらく当時の人が火事だと思って屋根に水をかけている姿が面白いと感じた人が多かったのではないかと思います。
◇ ◇
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「今みたいに宇宙に関してはあまり分かっていないから神仏の怒りと思っていたんでしょうね パニックになるのも無理はないですよね」
「オーロラを昔の日本の絵にするとこうなるんだ 明かりがないからすっげー見えたんだろうなぁ」
など数々の驚きの声が。未知の現象を目の当たりにした時の人間の反応はなんとも興味深い。
teradaさん関連情報
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