【急募】新しい城主→シフト制・週休2日、馬通勤OK、社会保険完備 応募状況は?岡山城事務所に聞いてみると…希望者との愉快なやりとりにほっこり

山陽新聞社 山陽新聞社

 「新年度ということで、新しい岡山城主を募集することになりました」-。4月1日午前10時、SNSのX(旧ツイッター)岡山城天守閣公式アカウントで緊急募集があった。画像内の募集要項によると、シフト制・週休2日▽駕籠(かご)or馬での通勤OK▽社会保険完備、だそうで「経験者は優遇」とのこと。ただし求めるスキルのハードルは、なかなか高く「石高30万石以上」。さて、応募はあったのだろうか。

 と、もちろんこれは#(ハッシュタグ)エイプリールフールが付いた投稿でネタである。しかし、コメント欄には好意的な反応が寄せられ、大喜利のようなやり取りが繰り広げられた。

とてもよい城条件だと考えております。
つきましては何点か質問させてください。
1.御藩のうりと、今後伸ばしていきたい点はなんでしょうか?
2.どのようなスキルを持った城主を求めておりますか?
3.参勤交代はあるでしょうか?
また、参勤交代がある場合の手当や補助はありますか?

 それに対し、岡山城天守閣公式アカウントは。

ご質問ありがとうございます!
下記のとおり回答させていただきます。
1.南は四国に、北は山陰と東に関西と、アクセスが大変よく交通の要衝です。比較的、災害も少なく、温暖な気候で住みやすい町かと思います。
ですが、なかなか皆様に知ってもらう機会が少ないと思いますので、岡山の良さを発信していくことに力を入れたいと思います。
2.この変化が多い令和を生き抜くためには、明確な目標を示せる強い志をもった方を求めております。
3.近年リモート参勤交代が取り入れられましたので、現地に向かうのが難しい方でもご安心ください。
手当、補助は規定に基づきお支払いいたします。
書ききれてなかったのですが、年1回の蹴鞠大会や鷹狩などのレクリエーションある、アットホームなお城です!
よろしければご検討ください

 と応じた。岡山城天守閣公式アカウントの返答に対し質問者は。

是非、御藩にて奉公奉りたいと考えておりますので早急に、合戦経歴書、奉公経歴書、臣下一覧表を送付いたします。
宜しく、お願い致します

 と‘前向き’な意向を示すものの、応募締切は1日限り。岡山城天守閣公式アカウントは。

本日中に矢文をお送りください。難しい場合は、早馬を飛ばしてもらえれば対応いたします

 矢文や早馬での応募が難しいという別の希望者も。

真庭から射た矢が届けばよいのですが、例えば旭川沿いに狼煙(のろし)で伝達とかでは駄目ですか(^_^;)。

 ただ、厳正な選考のためそこは譲れない様子。岡山城天守閣公式アカウントは。

見間違ってしまうといけませんので、よろしければ早馬を飛ばしていただけないでしょうか?

 果たして新しい岡山城主候補は見つかったのだろうか。岡山城天守閣公式アカウントを運用する岡山城事務所(岡山市)に聞いてみると「今回は急な募集だったため、残念ながら締め切りまでに応募書類が矢文で飛んでくることも早馬で届けられることも、狼煙で知らされるようなこともありませんでした」ということだ。

 他にも応募したいとするコメントはあったが、条件の「30万石以上」を示す者はいなかった。30万石以上の大藩といえば、加賀・前田家、薩摩・島津家、仙台・伊達家、熊本・細川家、福岡・黒田家、徳川御三家など江戸時代でも十数家ほど。求めるスキルが高すぎるのでは、という声もありそうだ。同事務所は「第4代岡山城主池田忠雄以降、岡山藩の石高は幕末まで31万5200石を領する。そこは譲れないが、次の募集では岡山城の魅力をさらにPRし有能な城主を獲得したい」としている。

 岡山城主は、「金烏城」の異名で知られる近世城郭を築いた宇喜多秀家を初代として、明治期の14代池田章政が最後。令和の世でふさわしい人は見つかるだろうか。

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