取り壊される蔵で出産→生まれたて4匹の子猫と保護 子育てが終わってから、人馴れしていなかった母猫は…

渡辺 陽 渡辺 陽

蔵で保護された猫一家

藁子ちゃん(1歳・メス)は、2024年4月に保護された。京都府で個人で保護活動をしているみかじゅさんのところに相談があり、現場へ向かうと300gに満たない赤ちゃん猫が4匹箱に入っていた。藁子ちゃんはその子たちの母猫だった。

「蔵で出産したようでした。もうすぐそこの取り壊し工事が始まるということを聞き、相談者が子猫4匹を保護して箱に入れておいてくれました。」

みかじゅさんは働いている上、ミルクボランティアをしたことがなかったので、ベテランボランティアに相談した。

「母猫がいるなら一緒に保護するのが理想と言われて、そりゃそうだと思いました。人間が人工的にミルクをあげるより、母猫が母乳をあげる方がいいに決まっています。私は、捕獲器を仕掛けて母猫の藁子を含むファミリー5匹を保護しました。ここから蔵田藁子ファミリーの家猫生活がスタートしました。」

人馴れ修行を終えて

藁子ちゃんも子猫たちも餌やりボランティアからごはんはもらっていた。しかし、藁子ちゃんは子育てをしていることもあり、警戒心マックス!思いっきりシャーシャー威嚇してきた。

「保護した日は、藁子が育児放棄しないか、触れない外猫を保護してどうなるのか、不安で眠れませんでした。でも、保護したのなら最後までやるしかないと思いました。子育ては藁子がしてくれるので、トイレとごはんのお世話だけするように徹していました。」

母は強し!みかじゅさんは環境の変化を心配していたが、藁子ちゃんは立派に4匹を育ててくれたという。

「言うまでもなくみんなかわいい子たちだったので、譲渡会に出すまでもなく声がかかり、ご縁に恵まれあっという間に巣立っていきました。その後幸せ通信もたくさん頂いています。」

残った藁子ちゃんは人馴れ修行が必要だった。みかじゅさんは、じっくりと時間をかけ、焦らせることなく、藁子ちゃんのペースで進めたという。

「性格はとっても優しく控えめな何ともかわいい子です。子育てが終わるとほっとしたのか、顔つきも優しくなり、人馴れもゆっくり自然に進んでいきました。満を持して初めて出た1月の譲渡会でご縁を頂きました。」

いくらボランティアが保護しても、保護猫たちが人馴れしてくれないと、里親との縁がないとどうしようもない。藁子ちゃんのニューファミリーは、藁子ちゃんのバックグラウンドなど理解して、トライアル中温かくゆっくり見守ってくれたという。

「藁子の里親さんファミリーは、本当に猫ファーストで優しい方です。譲渡の時お手紙が入っていたのですが、すぐに気づかず後から読んで、娘さんのコメントに涙しました。」

無事、正式譲渡できて嬉しいというみかじゅさん。

「正式譲渡の手続きに行ったら、藁子は私の顔を見て逃げてました。これも恒例のお約束です(笑)」

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