転びそうになるくらい足もとに体をスリスリしてきた野良の子猫を保護 社員やお客さんに愛され、町のガス屋さんの看板猫として活躍

うちの福招きねこ〜西日本編〜

西松 宏 西松 宏

福岡県朝倉市にある「株式会社 桑野商会」はLPガス販売、設備工事、リフォームなどを行なっている町のガス屋さん。ガス器具の取り扱いはもちろん、住まいの困りごと全般の相談にも親身にのり、地域の人たちに頼られている。会社事務所では、桑野清司社長、妻の真智子さん一家が保護し、看板猫を務める「まる」(オス、5歳)が、持ち前の人なつこさで会社を訪れる人たちを出迎えている。外回りの仕事から戻ってきた社員さんたちをリフレッシュさせるのもまるの大事な役割だ。真智子さんに、まるとの出会いや仕事ぶりなどについて聞いた。

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 真智子さん まるが我が家にやってきたのは2019年9月。当時中学2年生だった次女が友だちと部活から帰宅途中、生後半年だったまるが、次女の乗っていた自転車の前に急に飛び出してきたとのこと。危なかったので自転車を降り、押しながら再び歩きだすと、今度は次女の足元に「ニャー」と鳴きながら、スリスリをしてきたそうです。8の字を描くようにまとわりついてきて、転びそうになるくらいだったとか。「お母さん、歩けないほどスリスリしてくるから、仕方なく抱っこしてきた」と言って、まるを家に連れてきたんです。

その半年ほど前、近所の青果市場あたりで、子猫が何匹か生まれていたのを目撃していた人がいたので、おそらくその中の1匹がまるだったのかなと。半年間、まるは野良として、なんとかひとりで生き抜いてきたようです。次女の前に現れたときは痩せ細り、推測ですが「もうこれ以上、お外では生きていけない」とカツカツの状態だったのかもしれません。「飼ってください」と懇願するかのように次女の足にすがりつき、うちにやってきました。

人なつこいので、もしも迷い猫だったらと思い「心あたりある方はご連絡を」とSNSなどで告知しましたが、誰からも申し出はなく、家族として迎えることになりました。保護した当時は痩せていたので「丸々した子に育つように」との願いを込めて「まる」と名付けたんです。その願いのとおり、いま体重は8キロ弱に(笑)。ちょっと太りすぎですよね。

うちはLPガス販売、ガス器具の取り扱い、リフォーム工事などがメインですが、「コンロの火がつかない」といったガスに関することだけにかぎらず、「蛇口から水が漏れている」「換気扇が動かない」「トイレが詰まってしまった」「電球がきれた」「雨漏りがする」など、住まいにまつわる困りごとがあったときはいつでも気軽に電話してきてください、と言っています。

というのも、最近は高齢者だけの家庭も増え、家でちょっとした困りごとがあったとき「どこにお願いすればいいかわからない」という方も少なくないんです。だから「困ったことがあったら、まずはうちに電話して」と。私たちができることはやりますし、対処できないことは地元の業者さんを紹介することもできますからね。いわば、住まいの便利屋さんですね。

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