島根県松江市の宍道駅から広島県庄原市の備後落合駅に至る路線がJR西日本の木次線。たびたび廃線になるのではないかと危惧されています。mumin papaさん(@OxcH2OsSotFyC1l)は、木次駅に降り立ち、あるものを見つけて感動したそうです。
「卒業生にこんな素敵なメッセージをくれる木次線の社員さん…。なくなって欲しくないです。」
投稿を見た人からはたくさんのメッセージが寄せられ、「いいね」は8万件にもなりました。
「木次鉄道部は、お客さんと現場の社員との距離が一番近い現業機関です。タブレット閉塞や腕木信号機があって、駅に必ず当務駅長がいた時代から変わっていないと思います。今年の春は18きっぷを買いに行けませんが、1円でも多く収入に協力できるよう利用させてもらいたいです」
「これからの季節、木次線近くの川沿いには満開の桜並木が咲き誇っていて、とても綺麗です。トロッコ列車に乗っていたら、木次線沿いに住む人たちが手を振ってくれました」
「イケメンアピールは欠かさないところも素敵」
「駅でこんなメッセージみたことない。これは卒業生嬉しいねえ〜」
mumin papaさんにお話を聞きました。
ーー心のこもった掲出物ですね。
「パソコンで印字してプリントしたものではなく、手書きで一語一語丁寧に記入されていました。列車の絵も貼り付けなどではなく、ちゃんと手書きで描かれたものでした。読ませてもらってとても温かい気持ちになりました」
ーー木次線のどんなところに魅力を感じますか。
「今はスピードが重要視される世の中ですが、木次線は、時間をあまり気にせずゆったりと流れる景色を楽しめる貴重な路線です。僕が行った日はあいにくの雨でしたが、桜の季節や田んぼがきれいな夏など、車窓を楽しみながら乗れるとても素晴しい路線です。沿線の方々もとても親切で、またぜひ乗りに行きたいと思います」
木次駅の方にもお話を聞きました。
ーー毎年掲出されるのですか。
「昨年初めて掲出して、今年が2回目です」
ーーどのような思いが込められているのでしょうか。
「卒業前の高校生の皆様に、木次線を3年間ご利用いただいた感謝の気持ちや自然が豊かな木次線ならではの事情で列車の運休が多かったこと、列車本数や駅設備でご不便をお掛けしたことへのお詫び、卒業生への応援メッセージなどを楽しく読んでもらい、卒業して木次線を利用することが無くなっても、木次線を忘れないで、また乗りに来て欲しいという気持ちで書きました」
ーー廃線にしないでほしいという声もありますが。
「木次線は、ご利用が厳しいことは事実ですが、現時点で決まったものはございません。今後も鉄道の利用促進や観光振興、まちづくりの方向性に向けて、地域の皆様とともに議論を重ねていきます」
国土交通省によると平成12年以降の廃線路線は年々右肩上がりになり、その線路長は1250kmにもなろうとしています。のどかな路線だからできる温かみのある掲出物。来年も見られるといいですね。