知っておきたい車の「上座」「下座」 取引先の人と乗るタクシー…あなたはどこに座るべき?

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

車にも上座・下座があり、「上司が運転」「タクシーに乗る」など状況によってその位置は変わります。仕事で上司や取引先の相手と車に乗る場合は、座る位置に気をつけましょう。ケース別の車の上座・下座の位置と、車におけるビジネスマナーをまとめました。

車の上座・下座とは

上司や取引先の相手など、目上の人が座るべき席を「上座」、おもてなしをする側が座る席を「下座」といいます。

車にも上座・下座は存在し、ビジネスの場面などでは席次(座席の順序)への配慮が必要です。

▽車の席次は状況によって変わる

車の上座・下座の位置は以下のような条件で変わるため、状況に応じた判断が必要です。

・運転手が誰か
・誰と乗るのか
・何人で乗るのか

車の席次の基本ルール

車の席次では、上座は基本的に「助手席」「運転席の後ろ」のどちらかです。

身内の人間だけで乗る場合は、快適性の高い助手席が上座です。またこの席次には、運転してくれる相手への気遣いを示す意味もあります。

一方、タクシーに乗る場合や取引先の相手などを車に乗せる場合、運転手から見て乗り込む人は「お客様」です。このケースでは、車内で最も安全とされる運転席の後ろが上座で、助手席が末席です。

なお後部座席は、目上の人から「運転手の後ろ→助手席の後ろ→中央」の順に座ります。

▽ただし現場では臨機応変に

席次には一定のルールがあるものの、実際は臨機応変に対応することが重要です。

目上の人から「ここに座りたい」と申し出があれば従いましょう。また「女性が男性に挟まれないよう端の席に」「和装で乗り降りしにくい人を助手席に」といった配慮も必要です。

ケース別に見た車の上座・下座

ここからは、ケース別に見た車の上座・下座の位置関係を図入りで解説します。

▽ケース① タクシーなど運転手が部外者

タクシーなど運転手が部外者の場合、席次は以下の通りです(1:上座→4:下座)。

1:運転席の後ろ
2:助手席の後ろ
3:後部座席の中央
4:助手席

タクシーなどの場合、乗り込む人間は「お客様」です。運転手に特別な気遣いをする必要はなく、上座は車の中で最も安全性が高い運転席の後ろとなります。

一方、下座(末席)は助手席です。なぜなら助手席は運転席に最も近く、行き先を伝えたり、精算をしたりしやすい位置だからです。

ただし最も狭くて居心地が悪いのは後部座席の中央なので、後部座席中央を利用しなければいけない時は「よろしければ代わりましょうか」と声をかけると良いでしょう。

【最近は上司を助手席の後ろに乗せるケースも】
「上座は運転席の後ろ」という考え方は、外務省の国際儀礼が基になっています。しかし運転席は道路側に面しており、乗り降りが危険です。歩道側から乗る場合も奥に移動させる必要があり、最近では「助手席の後ろに上司を乗せる」というケースもあります。

▽ケース② 運転手も含めて社内の人間だけで乗る

社内の人間だけで車に乗る場合、席次は以下の通りです(1:上座→4:下座)。

1:助手席
2:運転席の後ろ
3:助手席の後ろ
4:後部座席の中央

このケースでは、最も広く、自由に使える助手席が上座です。またこの席次は運転してくれる同僚を気遣い、「運転手扱いしない」という姿勢の表れでもあります。

【「上司の運転する車に2人」なら助手席へ】
上司の運転する車に2人(上司と自分)で乗る場合は、助手席に座りましょう。後部座席に座れば「自分はお客様、上司は運転手」のようになってしまいます。

▽ケース③ 社内の人間が運転し、お客様を乗せる

取引先の相手などお客様を乗せる場合、席次は以下の通りです(1:上座→4:下座)。

1:運転席の後ろ
2:助手席の後ろ
3:後部座席の中央
4:助手席

自社の車にお客様を乗せる場合は、上司とともに乗る場合でもお客様が最も気遣うべき相手(上座に座る人)です。運転手への気遣いをさせないため、お客様は原則として後部座席に座ってもらいます。

一方、社内の人間は運転席と助手席に座ります。例えば上司が運転してくれる場合は、上司への気遣いも含めて自分が助手席に座るようにしましょう。

【取引先の相手の車に乗る時の対応】
取引先の相手の車に乗る場合は、取引先側から見て自分たちが「お客様」です。そのため後部座席へ案内されれば無理に断る必要はありませんが、はじめから堂々と後部座席に座るのは控えましょう。特に取引先の相手が一人の場合は気遣いを示すため、上司が助手席に座るようにします。

▽ケース④ 7人乗り(3列シート)に乗る

運転手を含めて7人乗りの座席に座る場合、下座(末席)は3列目です。社内の人間や親族など身内で乗る場合は「助手席が上座」、タクシーなどの場合は「運転席の後ろが上座」という考え方は変わりません。

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