飛行機で泣き続ける赤ちゃんに必死の両親→乗客の女性からメモが…「こんなん、一気に涙腺崩壊」 

宮前 晶子 宮前 晶子

「飛行機で、機嫌が悪くなかなか泣き止まない0歳児の娘… “お願いだから早く泣きやんで”と心のなかで懇願。ラテン妻と代わる代わるダッコ。ゼンゼンだめ。ご機嫌斜め。響き渡る泣き声。額から垂れる汗」。そんな切羽詰まる状況で、肩をトントンとされて隣のおじさんからふいにティッシュを渡され…。

数ヶ月前、メキシコ人の妻と娘さん(当時10〜11ヶ月)と飛行機に乗ったまーちゃん陽気なラテンマインドさん(@papajapon 以下まーちゃんさん)も、メキシコから日本へのフライト中に、娘さんの泣きぐずりに手こずりました。ただただ焦る夫妻に、渡されたティッシュを広げてみると、メッセージが書かれていたのです。

その後の機内でのできごとを、まーちゃんさんに振り返ってもらいました。

やさしいメッセージで取り戻した心の余裕

まーちゃんさんの妻の故郷であるメキシコへの訪問を終えての帰りのフライト中のこと。基本的にフライト中はぐずってるか寝てるかのどちらかだという娘さんですが、この日は一向に落ち着く気配なし。「周囲の人に迷惑かけている」という焦りも手伝って、2人は心身ともに疲労困憊モードに。

そのタイミングでのティッシュでした。通路越しの初老の女性からのものだと男性が仕草で伝えたそのティッシュを開いて見ると、『Baby needs to cry, good for ears.(子供は泣くもの。耳に良いものよ)』と英語で走り書きが。読んだ瞬間に、心にグッときたまーちゃんさん夫妻。女性と直接言葉を交わすことはできませんでしたが、通路越しの女性に"ありがとう"の合図を送ると素敵なウィンクが返ってきたそう。

まーちゃんさんは、「僕らに心の余裕ができたからか、娘は泣き止んでスヤスヤと夢の中へ。赤ちゃんを連れての移動。親は周りに迷惑をかけないか、かなりのプレッシャーを感じて気を張っている事が多い。そんな時に『味方だよ』って表情や言葉で合図をくれるのは本当に心が震えるほど、ありがたいものなんです。そんな合図が送れる人に僕もなりたいと思ったできごと」と伝えています。

このエピソードに対して、「こんなんされたら、一気に涙腺崩壊」「本物のヒーローっているんだな」「初老の女性の気遣いに涙」「素敵なマダム」と女性に感謝する声が数多く寄せられました。

その一方で、「私も飛行機の中で 文句言われたり…キツかった経験あります」「親が焦ると赤ちゃんも余計に泣き止まない!」と子連れへの冷たい視線を感じた人の声や「子育てで同じ思いをしたはずなのに、手がかからなくなってちょっと冷たい視線を送っていたかも。この女性のようになろうと強く思います」という反省の弁もありました。

人の優しさに触れることもある子連れ外出

公共交通機関を使っての子連れ移動はただでさえ大変ですが、周囲の目というのもハードルの高さのひとつとなってしまっているのが現状です。「生まれて初めて、娘と一緒に電車に乗った時は、親である僕たちもものすごく気負っていたと思います。そこまで大きな泣き声ではなかったと思うのですが、とにかく周りの視線が気になって、かなり冷や汗をかいた記憶があります」。

そんななか、日本の優先席や譲り合いの現状を日頃は嘆いていたラテン妻さんにとって印象が変わる出来事も。ベビーカー(妻)と抱っこ紐(夫)の状態で電車に夜6時過ぎに、鈍行に乗車したときのことだそうです。

「ちょっと先に空席があったので移動しようと思ったんだけど、通路に足を投げ出している人がいたから“通れないなぁ”と思っていたら、近くに座っていた50代ぐらいのサラリーマン2人がさっと立って“この席どうぞ~”って言ってくれたんだよね。ラテン妻がいたく感激して120%の笑顔で“ありがとうございます!”ってお礼をいって席に座らせてもらった」。

さらにその2人がほかの乗客の忘れ物を届けるという善行を目撃。夫婦で感激し、「“こんな人がいるなんて日本の未来も明るい!”って心の中でスタンディングオベーション状態」になったのだとか! 子連れでの外出では、ちょっとした“人の優しさ“が、想像以上にありがたいもの。また子どもと一緒にいるからこそ、感動的な出来事が増えたとまーちゃんさんは言います。

褒めまくって、自己肯定感を上げる!

1年間育休を取り、もうすぐ復帰するまーちゃんさんは、中南米で6年間過ごした経験があり、折々で妻の故郷へ里帰り。育児を通して、両国の子育て事情の大きな違いを尋ねると、「日本の育児は、教科書から外れているとダメなど、“~はダメ”という考えが多いなという気がします。ラテンの育児は少しおおらか、そしてスキンシップが日本の100倍多いです!!!」。

とにかく、褒めまくることで自己肯定感を上げるというのが日常の中に根付いており、例えば「赤ちゃんはかわいい」→「赤ちゃんを世話するママがかわいい」、さらには「赤ちゃんとママを写真で撮影するパパも素敵!」とほめ言葉の連鎖があふれているとか。

「そうは言ってもメキシコは治安が悪い」というコメントが寄せられることもあります。「それは百も承知です。でも、日本が上、メキシコが上といった優劣をつけることはできないと感じています。いつも妻と話しているのですが、どちらの国にも良い面悪い面があります。僕は、その良いところをできるだけたくさん紹介したいと思っています」。

海外や国内への家族旅行、ふるさとへの帰省などが増える年末年始。赤ちゃんや小さな子どもを連れての公共交通機関利用では、多くのパパママが肩身の狭い思いをしており、「電車で泣く赤ちゃんにブチ切れる人」などがしばしば話題になります。ご自身の快適さだけでなく、どうすれば、みんなが快適に過ごせるかを考えたり、行動してみてはいかがでしょうか?

■まーちゃん陽気なラテンマインドさんX(旧twitter)  @papajapon

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