障がい者向けのヘアメイクレッスン「身だしなみ楽しんで」髪形を決めたり、毛染め楽しむ参加者も

中将 タカノリ 中将 タカノリ

ーー障がい者向けのヘアメイクレッスンを始めたきっかけは?

石原:私の1歳上の兄は18番染色体上部欠損症というギフトを持って生まれてきました。知的障がいがあるので、母に言われないと髭を剃らなかったり、散髪に行かなかったり、用意してもらった洋服しか着れなかったり……という様子を子供の頃からそばで見てきました。「もし親がいなくなったら私が手伝うの?」と漠然とした不安を抱えていたのを今でも覚えています。

ーーそれが原点なんですね。

石原:一概には言えませんが、障がい者が自分で身だしなみを整えられないのは、親が全部やってしまったり、自分では出来ないとあきらめてしまっていることも一因だと思います。当事者が身だしなみの大切さに気付き、興味を持つことが、自立や自分で出来ることを増やす第一歩になるんじゃないだろうか。そんな思いから美容の専門家として出来ることを模索しました。特別支援学校や障がい者就労施設などさまざまな現場を見学し、お話を聞く中で、少しずつレッスンの機会を増やしています。

ーーレッスンはどのような内容なのでしょうか?

石原:外部講師による「身だしなみ講座」や「自立活動」という形で美容の視点から身だしなみやセルフケアの大切さをお伝えしています。手洗い、洗顔から、ヘアセット、メイクまで、障がいの種類や度合いによって内容は異なりますが、はじめはぐしゃぐしゃの髪で講座に参加していた男の子が、次の回には前髪をばっちりセットしてきてくれたり、パーソナルカラーを勉強して自分に似合うカラーのメイクを楽しんでくれたりと、大きな手ごたえを感じています。健常者から見ると些細な変化かもしれませんが、障がい者にとって自分で出来ること、楽しめることが増えるのはとても重要なことです。彼らがより人生を楽しむためのお手伝いが出来ることに、充実感を感じています。

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