障がい者向けのヘアメイクレッスン「身だしなみ楽しんで」髪形を決めたり、毛染め楽しむ参加者も

中将 タカノリ 中将 タカノリ

ーーお兄様にもヘアメイクの指導をされることはあるのでしょうか?

石原:一緒に住んでいる頃は思春期だったり家族特有の気まずさで出来なかったのですが、このお仕事を始めてから彼の働いている就労施設に1年間授業に行く機会がありました。幸い身だしなみへの意識が変わるきっかけになったようで、自分でドラッグストアに行って電話で私に質問しながら洗顔フォームや脱毛クリームを買うようになりました。脱毛クリームは意外だったんですが、聞けば太ももの毛が気になっていたそうなんですね。元々はよだれが服に付いていても気にしなかった彼が、人目につかない場所までケアできるようになったのはとても大きな進歩じゃないかなと驚きました。最近は自分で新しいカバンを買うなど、どんどんお洒落の意欲が湧いているようです。

ーーお兄様の変化を見て、お母様の反応はいかがでしょうか?

石原:とても驚くと同時に、一人で出来ることが増えたことに安心しているようです。今、兄は一人暮らしをして、なんとか自立できています。もちろん心配がなくなるわけではありませんが、生き生きと楽しく暮らしている様子を見てとても喜んでいます。

ーー石原さんのような活動をされている方は他にも?

石原:一般の老人介護施設に行かれる美容師の方は多いようですが、障がい者施設に特化してヘアメイクレッスンをされている方はまだ知りません。今、少しずつ私の活動に賛同していただける方が増えて輪が広がりつつあるのですが、それをもっと多くの方に知っていただくことが今後の課題だと思っています。

◇ ◇

初めはボランティアが主だったヘアメイクレッスンだが、学校や就労施設の理解が高まるにつれ、仕事としてのオファーが増えているという。これは活動を継続する上で歓迎すべき現象だろう。石原さんのような活動が、今後全国に普及することを期待したい。

石原めぐみさん関連情報
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