10月に入り、京阪神でも朝晩は上着が必要な肌寒さが続いています。そんな中、自動販売機でよく目にするようになったのが米入りの缶スープ飲料です。SNS上でも目撃情報が続々と投稿されており、「衝撃www自販機にかに雑炊あるんだけど」「缶入り雑炊スープとか初めて見た」「二度見した」「斬新すぎる」などと驚きの声が広がっています。
メーカー「お鍋のあとの雑炊をイメージ」
飲料大手「ダイドードリンコ」(本社、大阪市北区)が9月に発売した米入り缶スープ飲料「かに鍋スープ 雑炊仕立て」「博多水炊きスープ 雑炊仕立て」。同社は一昨年、業界初といわれる発芽米入り缶スープ「参鶏湯風スープ」を発売しており、今回はそれに続く新商品です。
今回発売した2つの味はいずれも、お鍋を楽しんだあとの雑炊をイメージ。同社によると、かに鍋スープの味は「かに鍋の旨みを昆布や野菜の出汁で引き立て、魚介類の旨みやしょうゆで深い味わい」。博多水炊きスープは「鶏の旨みとコクが詰まった白濁スープに、爽やかな柚子胡椒風味がアクセントとなり、博多水炊きの本格派の味わいを楽しめる味」。
「缶底に米がくっつくのでは?」→メーカーの答えは
ここで気になるのが、粒入りコーン飲料のように最後は残った粒と格闘することになるのではということ。SNSでの評判を調べると「出汁がきいてる」「140円のクオリティは超えてる」「今までのスープ缶の中で一番おいしいかも」「夜勤明けにしみた」などと味が絶賛される一方で、「米さえ残らなければ完璧なのに」「米が残りそうだったから途中で何回か振りながら飲んだ」「コーン缶を飲むときの裏技で飲み口の下を凹ませて飲んだ」などという声があったのも事実です。
同社広報担当者に尋ねると、「お米が缶の底にくっつかないような独自の製法で商品化しました」とし、缶の裏面に飲む際のコツが明記されていることを教えてくれました。「お米の粒が入っています。よく振ってからお飲みください」(缶裏面より)
筆者も試しに駅の自販機で「博多水炊きスープ〜」を購入し、飲んでみました。缶を開ける前に2、3回振って飲んだところ、最後に米粒が10粒ほど残ってしまいました。どうも最初の振り方が足りなかったようです。ひと口目から米とスープを一緒に味わうためには、注意書き通りに「よく振って」飲むことが必要だと、身をもって体験しました。
同社担当者が「割と濃い目の味付けにしておりますので、お仕事の合間などの小腹満たしにもなります」とアピールする通り、完飲後は空腹がおさまり、駅のホーム上にいながら鍋料理の締めの雑炊気分が味わえました。
いずれも希望小売価格140円(税込)。全国の自動販売機などで販売中。
◇
「変わり種」缶スープ飲料は今や冬の風物詩的存在に。特に2021年には、JR東日本クロスステーションウォータービジネスカンパニーが発売した「コクと旨味の一風堂とんこつラーメンスープ」が大ヒット。定番だったコーンポタージュの実績を最大で1.5倍上回るという、異例の定番超え商品に成長し、話題になりました。ほかにも複数のメーカーから、みそ汁、とん汁、クリームシチュー、チゲ風、飲むカレーなどが登場し続けています。