33歳女性「借金返済が月11万円、貯金がありません」…FPが訴える、今“最優先”にすべきこと

福永 涼子 福永 涼子

何よりも負債をゼロにすることを最優先に

相談者さんの今の状況で、第一に何をすべきかと言えば、貯蓄でも投資運用でも保険加入でもありません。今ある250万円の負債をゼロにする方法を考え、早急にアクションを起こすことです。

この先も、今の生活パターンのままで進んでしまうと、明るい将来は期待できません。返済のために今の収入を増やすことも考えたいですが、急に大きく増やすことはなかなか難しいかもしれません。

状況に応じて、例えば家族や同居のパートナーを一時的に頼り、自分の収入のすべてを返済に充てるなど計画性を持って現状を脱する策を相談することも一案です。

また、自己破産や任意整理、個人再生といった法的手段の利用も検討材料のひとつです。このような手段を使うと、今後の相談者さんの信用情報に傷がついてしまうことは避けられませんが、相談者さんにとって必要なのは、今の状況を断ち切り大きく変えていく勇気を持つことです。

できるだけ早く決断し、負債をゼロにすることを最優先に取り組むことができれば、将来に向けてこれまで以上に新しい世界が見えてくるのは間違いありません。

仕組みづくりができれば、お金は貯められる

そもそもの話に戻りますが、相談者さんが毎月一定の負債の返済をしなければならない状況に陥ってしまったのは、お金の使い方の仕組みづくりができていなかったことが原因のひとつと考えられます。

基本的な考え方として、毎月のお給料が入ってきたら「使うお金」「備えるお金」「貯め・増やすお金」に、まずは色分けをすることが大切です。

おそらく相談者さんはこれまで、お給料を受け取ったらすべて「使うお金」にしてしまい、さらに不足分は借りて、日々の生活を送っていたのではないでしょうか。

人間は感情が大きく支配する生き物でもあるので、「お金を貯めよう!」という気持ちがあっても、目の前に欲しいモノやサービスがあるとつい買ってしまったということは誰にでも考えられることなのです。

そのため、なるべくその状況が常態化しないようにする策として、お金の色分けが自動的にできる仕組みづくりが有効になります。

例えば「貯め・増やすお金」は、給与天引きで毎月自動的に一定額を簡単には引き出せない口座などに動かしてしまうという方法もあるでしょう。

今さら悔やんでも仕方ない…早急に現状を変える努力を

これまで相談者さんが上手にお金と向き合うことができず、負債も抱えてしまったことを今さら悔んでも仕方ありません。

それよりも、これから先のことを考えて早急に現状を変える努力をすること。そして負債が無くなった際には、ぜひそこから先の将来に向けて、まずはお金の色分けをしっかりと考え実践していきましょう。また、NISAなどの制度を使った投資運用でお金を増やしていくことや病気ケガへの備えなども含め、お金まわりの環境を整えることも、私たちFPと一緒に考えていただけたら嬉しいです。

   ◇   ◇

◆福永涼子(ふくなが・りょうこ)FPオフィス「あしたば」のファイナンシャルプランナー(CFP)。2001年にFP資格取得しFP仲間と共に子どもの金融教育を推進。その後、銀行での運用相談業務を経て現職に至る。自身の経験もふまえた「働く女性や母親の視点」でのお金に関するアドバイス&サポートには定評がある。年間約250件の個別相談を実施。

▽FPオフィス「あしたば」
https://ashitaba-mirai.jp/

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