自身の勤務先と比べて、知人や友人の勤務先はどれほど「青く見えている」のでしょうか。与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(東京都中央区)が、このほど発表した「第6回 隣の芝生(企業)は青い」の調査によると、約3人に1人が「知人や友人の勤め先を羨ましいと感じたことがある」と回答したことが分かりました。なお、羨ましいと思う勤務先の1位は「地方公務員」でした。
調査は、全国の20~69歳の男女1000人を対象として、2023年5月にインターネットで実施されました。
調査によると、約3人に1人が「知人や友人の勤め先を羨ましいと感じたことがある(以下、羨ましい)」(33.3%)と回答し、2022年調査の32.7%から微増する結果となりました。
これを「性別」「婚姻の有無」「世代」「職業」「企業規模」「年収」というセグメントに分けて「羨ましい」と回答した割合を男女別でみると、「男性」(30.0%)よりも「女性」(36.6%)のほうが高くなっていたほか、世代別では「20代」(38.5%)、「30代」(39.0%)、「40代」(40.5%)で高くなっていました。
一方、「羨ましい」と回答した割合が低かったのは、職業別では「公務員」(23.8%)、「パート・アルバイト」(25.9%)、企業規模別では「ベンチャー企業」(28.6%)、年収別では「年収300万円~400万円」(25.0%)となっています。
続いて、知人・友人の勤め先を羨ましいと感じている333人に対して、「羨ましいと思う勤務先」を教えてもらったところ、1位「地方公務員」(17.1%)、2位「国家公務員」(11.1%)、3位「トヨタ自動車」(5.7%)がトップ3となり、第1回調査から6回連続でトップ3を守り続ける結果となりました。
以下、同率4位「ソニー」「パナソニック」(1.8%)、同率6位「サントリー」「キーエンス」「任天堂」「三菱商事」(いずれも1.5%)、同率10位「日立製作所」「富士通」「三菱重工業」「三井物産」「伊藤忠商事」(いずれも1.2%)と続いています。
また、知人・友人が勤める企業について、「羨ましいと感じる理由」を複数回答で答えてもらったところ、「給料が高い」(63.4%)が最も多く、次いで「福利厚生が充実している」(42.9%)、「会社に安定性がある」(37.8%)、「休みが取りやすい」(26.7%)、「会社の知名度が高い」(20.1%)となり、2022年調査と同様の結果となりました。
これを世代別でみると、すべての世代で「給料が高い」(20代:63.6%・30代:61.5%・40代:63.0%・50代:62.3%・60代:69.4%)、「福利厚生が充実している」(20代:40.3%・30代:48.7%・40代:43.2%・50代:36.1%・60代:47.2%)が上位となりました。
なお、20代のみ「会社に安定性がある」(19.5%)は上位に入っておらず、「テレワーク等、働き方改革に取り組んでいる」(24.7%)が3位にランクインしています。
さらに、年収別では、すべての層において「給料が高い」が1位となっていることから、自身の年収の多寡にかかわらず自分の年収以上の人に対しては羨ましいと感じる傾向にあることがうかがえます。他方、「福利厚生が充実している」は、年収「1000万円未満」の層では2位となったのに対して、「年収1000万円以上」(7.7%)では優先度が低い項目となっていました。
次に、「自身の仕事・勤務先への満足度と、知人・友人が勤める企業への羨望度」について調査したところ、「羨ましいと感じたことがある」と答えた人の71.0%が「自身の仕事に満足していない」と回答しており、仕事に対する満足度が低い人は、知人・友人が勤める企業を羨ましく感じやすいことがうかがえました。
これを世代別に「満足している」と答えた割合をみると、「20~40代」が4割未満であったのに対して、「50代」(47.5%)と半数弱、「60代」(57.6%)では6割近くとなっています。また、年収別では、年収が上がるにつれて、概ね比例して満足度も上昇しており、「1000万円以上」(64.1%)では、6割超が自身の仕事・勤務先に満足している結果となりました。