猛暑の中ゴミのように遺棄された子猫たち 善意につけ込む卑劣行為に怒りの声 子猫はどうなった? 

はやかわ かな はやかわ かな

無責任な遺棄を無くすには?

ーー例えば、飼い主自身の病気や事故、死亡などにより、動物の飼育の継続が難しい状況になる可能性は、誰にでもあると思います。万が一に備え、どんな準備をしておくのが望ましいですか?

「最近はそういうケースに備えて、猫を引き取ってくれる共済サービスを提供しているところもあります。月々の掛金が必要ですが、選択肢としてはありだと思います。最近は高齢のご両親が施設に入ったり、お子様と同居するために飼っていた猫の行き場がなくなった……という相談をよく受けます。こういったケースは、今度も増えていくのではないかと危惧しています。ご高齢の方などは、自分が猫より長生きできる可能性の有無を考え、最初から飼うことを自粛される方もいらっしゃいます。少なくともこういった”あらかじめ想定できる事態”は、飼う前にきちんと考えておくべきだと思います」

ーー今回のような無責任な遺棄をなくすには、どうすればいいでしょうか?

「まず、ペットを飼う際は必ず、避妊去勢を行なってほしいです。避妊せず、外に出た飼い猫が子猫を産んでしまった……といった相談が度々ありますが、それは飼い主の責任でしかありません。ペットショップでは避妊去勢の重要性などを説明せず、1匹で飼うなら避妊去勢はしなくていいですよ、などと言って、後々の負担を考えずに販売を進めようとするところもあります。動物を飼うということは、お金も労力もかかることです。避妊去勢手術の費用さえ出し渋るような経済状況なら、最初から飼う選択をしないでほしいと思います」

保護された4匹の子猫の現在と今後は?

発見時、遺棄された4匹の子猫は生後半月ぐらいだったという。「失明寸前で目は回復するかまだ五分五分」という状況だったサバトラの子猫だけがオスで、あとは全員メスだった。失明寸前だったオスの子猫は現在、「まだ目は少し白く濁っているものの、ちゃんと見えています」と、農業姉妹さん。

他の子猫たちも元気いっぱいで、生後1ヶ月半ほどとなった今は、「食欲旺盛で、常にお腹がまるまるとしています」とのこと。すでに1匹は里親の申し出があり、今後は他の3匹も準備が出来次第、里親募集を開始するという。

「里親の条件は、まず第一に、その子を最後まで大切に可愛がり、終生一緒に暮らしてくれる方。そして、完全室内飼育を約束してくれること、必ず避妊去勢を行なってくれること、ワクチン接種と適切な病院の受診をしてくれること、猫が快適に過ごせる環境を整えてくれることです。1~2週間程度のトライアル期間を経て、正式に譲渡となります」(農業姉妹さん)

※猫や犬などの愛護動物の遺棄・虐待は犯罪です。やむを得ない事情がある場合は、地域の保護団体や動物病院、保健所などに必ず相談してください。無計画な繁殖による多頭飼育崩壊や殺処分、近隣への糞尿被害などを防ぐためにも、猫の完全室内飼育の徹底、また、避妊去勢に対する正しい認知と理解が必要です。

■農業姉妹さんが営む、マンゴー農園に併設された直売所兼カフェ「はちわれ農園」

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