「国保より保険料が割安にできるかも!」会社を退職しても→加入していた健保を継続…知っておきたい「任意保険制度」【FPが解説】

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会社を退職するとき、それまで会社で加入していた健康保険を継続できることをご存知でしたか? 場合によっては、国保より支払う保険料を割安にできる可能性もあります。「任意継続制度」について、メリット・デメリットを踏まえながら、手続きの方法までわかりやすくFPが解説します。

任意継続制度とは

勤めていた会社を退職するとき、ある条件を満たすと、退職後2年を上限に、今までの健康保険に継続して加入することができます。これを「任意継続制度」と言います。(以下「任意継続」とします。)

任意継続の利用条件は以下の通りです。

・健康保険の被保険者期間(加入期間)が継続して2か月以上あること
・資格喪失日(退職日の翌日等)から20日(20日目が土日・祝日の場合は翌営業日)以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること

▽参考:全国健康保険協会「任意継続の加入条件について」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat650/r315/

国民健康保険との違い

それでは、任意継続した場合と国民健康保険に切り替えた場合の違いはなんでしょうか。

主な違いとして保険料があります。

任意継続すると、それまで会社と折半していた保険料は全て自己負担になります。

これだけ聞くと「えっ?今までの倍払わなくちゃいけないの?」と思うかもしれませんが、国民健康保険は前年の所得で保険料が決まってきますので、それまで年収が高かった人ほど、(翌年以降所得は少なくなるのに)高額な保険料を支払わなくてはならないということになる可能性があります。

任意継続の保険料はそれまでの標準報酬月額に応じて決まりますが、保険料の上限が定められていますので、たとえ全額自己負担になっても任意継続のほうがお得になる場合があるのです。

任意継続制度を利用するメリット

任意継続をすると、加入している健康保険組合のサービスがそのまま継続して受けられます。具体的には以下のような内容です。

・健康診断が受けられる
・組合契約保養所を利用できる
・家族を扶養に入れられる

これまで通り健康診断が受けられるのは安心ですし、組合が契約している保養所があれば、そこにも加入者としてかなり安価に宿泊・利用ができます。

他にも健康促進のためのイベントや、レジャー施設のイベント等を定期的に開催しているところもありますが、それらの案内が退職後自宅に届くようになります。

また、何より捨てがたいのは、家族をこれまで通り扶養に入れられるということです。

一方、国民健康保険では家族を扶養に入れることはできませんので、家族全員分の保険料がかかります。

また、健康保険組合からは抜けることになりますので、上記のようなサービスも当然受けられません。

任意継続制度を利用するデメリット

任意継続はこれまでの健康保険をそのまま引き継ぐ形にはなりますが、以下のようなデメリットもあります。

・傷病手当金や出産手当金が受けられなくなる
・保険料が全額自己負担となるので保険料負担が増す
・保険料を滞納すると即資格喪失となる

上記からもわかる通り、退職後に出産を考えている方は要注意です。

また、メリットの裏返しにもなりますが、それまでの年収によっては国民健康保険にしたほうが、保険料が安くなる場合もあります。

さらに、保険料は今まで会社が給与から天引きして代わりに支払ってくれていたわけですが、退職後は自分で支払わなくてはなりません。

まとめて前納すると安くなる制度もありますので、余裕のある人は前納制度を活用すると良いですが、毎月支払いをしていく場合はうっかり滞納してしまう危険もあります。

保険料を滞納すると、任意継続被保険者としての資格を喪失してしまいますので注意が必要です。

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