「この夏に帰省する人は、実家のコンセント周りチェックしてくるといいかもって話。最近は高齢親もスマホ使ったり子どもからスマートウォッチ贈られたりするパターンが増えてるし、家にWi-Fi設置してたりするけど、既存のコンセントが足らなくてどんどんタコ足化してるかも。まさにうちの話なんだけど」
夫の母親が暮らす家で、複数のタコ足配線を発見したなちゅ。さん(@itacchiku)。「うちは先日、義実家(超古い木造で高齢義母独居)に防犯カメラを取り付けたので、ついでにコンセント周りのチェックしたんですよ。そしたらすごいタコ足配線な上に埃が積もっていて、ヒェッてなった。高齢親の場合、物持ちが良かったりするもんだから、「コンセントたりない→増やそう」って引っ張り出してくるのが、とにかく古いやつなんだよね。Nationalロゴのやつとか現役で稼働してた」。
そんな注意喚起に、ほこりが溜まっているのを発見した人たちだけでなく、「うちにもナショナルがやまほど」という声も。そのときの対応について、なちゅ。さんに詳しい話を聞きました。
いつ買ったのかわからない電源タップも稼働させていた!
なちゅ。さんが、高齢の義母がひとりで暮らす家でコンセント周りの不具合がないか確認を進めていくと、発見したのは件(くだん)の電力容量オーバーの可能性も考えられるタコ足配線でした。
「おー…!お義母さん、ここのコンセント、ちょっとゴツい電源タップに変えますね。雷ガードついて埃シャッターもついたタイプが今はあるんですよ〜!それを使ったら火事になりにくいし、スッキリしますよ」と伝え、埃シャッターとスイッチつきの電源タップに交換。
義母について、「埃を溜めると危ないということは知っていたと思いますが、そんなに埃がたまっているという自覚を持っていなかった様子でした。老眼が進んでいるので、よく見えてなかったというのも大きいと思います」とそのときの印象を語ります。タコ足化もあまり気にしておらず、「今まで問題なく使ってるのに、使わない方がいいもんなの?そうなの??」というリアクションだったそう。
また、手が届きにくい場所や家具の裏にコンセントの差込口があるタイプなどは、高齢者にとって掃除のハードルが高く、自分では手が回らないこと、視界に入っていてもスルーしてしまうこと、生活していると日常の風景に紛れてしまって気が付かなくなってしまうことも痛感しました。
なちゅ。さんは、今回のチェックでこれまで使っていた電源タップの大半を処分しましたが、状態の良いものをひとつだけ義母のもとに残しました。「おそらく、使う出番はないと思いますが、義母にも物に対する思いがあると思うんです。ささやかなことであれ、現状を否定してなんでもかんでも一方的に処分してしまうのは、親自身のいまの生活を否定して気持ちを傷つけてしまう事になりかねないと思って」。
離れて暮らす子が実家に戻った際に、いきなりダメ出しをするとケンカになり、険悪な雰囲気になることもあるため、いい物やいい事であっても押し付けにならないように話をしながら、親自身の意思も確認して尊重するようにもしているそうです。
さらに、これは自分だけの問題ではないと考え、「たまに帰省する家族が確認して整理してあげるのが、わりと効果の高い親孝行なのでは…と思ったりしました。みんな、電源タップ抱えて帰省するといいよ…!」とSNSで呼びかけました。
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総務省消防庁の発表によると、電気器具類が発火原因の火災は増加傾向しています。電気器具類による火災は、気づいたら手遅れとなる場合も。電気コードのタコ足配線や長期間折り曲げた状態での電気コード使用、家具の下敷きにしての使用、プラグの破損・変形の放置、コンセントやプラグへの埃の付着などが電気の火花発生や過熱による発火などを引き起こすので、日頃から掃除を行い、安全確認を行いましょう。
また、電化製品には使用期限があるように電源タップ(延長コード)も消耗品。適切な使用期限が過ぎたら新しいものに交換を。また買い替えの際は、メーカー推奨の正規品を選ぶことを心がけてください。
■なちゅ。@itacchiku
消防庁出典【動画】:「高齢者の安心・安全のために」家電製品の正しい使い方