ルームミラーの裏側から→運転席側のガラス上部へ…変わる「車検ステッカー」の張り付け位置 車検切れのリスク減らせるか

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

2023年7月3日から車検ステッカーを張る位置の規定が変更されたのをご存知ですか。貼る位置や規定が変更された理由、はがし間違い用に車検ステッカーを再発行する方法について紹介します。

車検ステッカー(シール)とは

車検ステッカーとは、クルマが車検に合格していることを示すステッカーです。正式名称は「検査標章」といいます。

車検に合格すると、普通車には青色のステッカー、軽自動車には黄色のステッカーが交付されます。 クルマを公道で走らせるには、有効期間内の車検証を備え付け、車検ステッカーをクルマのフロントガラスに貼っていなければいけません。

車検ステッカーを貼る位置

車検ステッカーを貼る位置は、これまで「前方から見やすい位置」と規定されていました。しかし2023年7月3日以降、「前方かつ運転者席から見やすい位置」に規定が変更されました。新たに車検を受けた場合は、新しい場所に車検ステッカーを張ることになります。なお、既に貼られている車検ステッカーは張り直しをする必要はありません。

▽2023年6月までは「ルームミラーの裏側」

2023年6月までに車検を受けた場合、車検ステッカーは以下のいずれかの位置に貼り付けることになっていました。

・ルームミラーの裏側(基本)
・助手席側のガラス上部

原則として、貼り付け位置はルームミラーの裏側(フロントガラスの中央上部)です。ただしルームミラーの裏側にカメラが搭載されている場合などは、助手席側のガラス上部に貼り付けても構わないとされていました。

なおガラス上部が着色されていて車外からステッカーを視認できない場合は、ステッカーを視認できる位置まで下げて貼り付けます。

▽2023年7月以降は「運転席側のガラス上部」

2023年7月3日以降は、貼り付け位置が「運転席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」へと変更されました。

今回の位置変更の狙いは無車検走行を防止すること。運転席側から車検満了日が見やすくなれば、車検切れのリスクが減ると国土交通省は期待しています。

▽運転者の視野を妨げる場合は別の位置も可

今回の変更について、パブリックコメントでは賛成の声があった一方、「車両の構造によってはかえって運転者の視界を妨げる」など反対意見もありました。そのため国土交通省は、運転者の視野を妨げる場合、「運転者の視野を妨げない前方かつ運転者席から見やすい位置」に貼り付けることを認めています。

車検ステッカーの貼り方

車検ステッカーの台紙は2023年1月に変更され、上図のデザインになりました。車検ステッカーをクルマに貼る時には、この台紙を使って青シール(軽自動車は黄シール)と透明シールを貼り合わせ、車内からステッカーを貼り付けます。

▽ステッカーの貼り合わせ手順

車検ステッカーの貼り合わせ方は、国土交通省が解説動画を用意しています。手順は以下の通りです。

1)透明シールの左半分をはがす
2)ミシンCを折り、貼り合わせ部に透明シールを貼る
3)青シール(黄シール)の右半分をはがす
4)ミシンBを折り、貼り合わせ部に青シール(黄シール)を貼る

車検ステッカーの見方

車検ステッカーは、車外と車内の双方から車検の有効期限が確認できるようになっています。表面(車外から見える面)には車検満了年月が、裏面(車内から見える面)には車検満了日が記載されています。

表面の見方のポイントは以下の通りです。

・大きい数字は車検満了月
・小さい数字は車検満了年
・車検満了年の配置は、年ごとに右下表記と左下表記を交互に繰り返す

▽丸いステッカーは「点検ステッカー」

クルマに貼るステッカーには、四角い車検ステッカーの他に、丸いダイヤルのようなステッカーもあります。これは通称「点検ステッカー」といい、国が定める法定点検を行った後に発行されるもの。 法定点検は年に一度行わなければいけないので、1年ごとに貼りかえる必要があります。

車検ステッカーの再発行方法

車検ステッカーを紛失したり、汚したりした場合は再発行申請を行います。

▽申請場所と必要なもの

車検ステッカーの再発行手続きは、普通車なら運輸支局または自動車検査登録事務所、軽自動車なら軽自動車検査協会で行います。普通車の場合、必要なものは以下の通りです。

・車検証
・車検ステッカー(提出できる場合)
・申請書
・理由書
・手数料納付書(300円分の印紙貼り付け)
・委任状(代理人が手続きする場合)

最低限必要なのは、車検証と手数料300円です。申請書や理由書は、当日窓口で入手できます。 

▽再発行の手順

車検ステッカーの再発行は即日で行えます。手順は以下の通りです。

・窓口で手数料分の印紙を購入
・申請書類に記入し、納付書とともに窓口に提出
・新しい車検ステッカーを受け取る

書類への記入が済んでいれば、手続きにかかる時間は5分程度です。ただし郵送による対応はなく、平日の日中に運輸支局等へ赴く必要があります。

車検ステッカーのQ&A

Q. 車検ステッカーはいつ受け取るもの?

車検ステッカーは、車検完了後に業者から受け取るか、車検完了後に業者が貼ってくれていることが多いです。ただし車検実施日にステッカーを受け取れないこともあります。この場合、発行までの間は車検ステッカーの代わりとして15日間有効の「保安基準適合標章」が発行されます。

Q. 車検ステッカーを貼らないと罰則がある?

車検ステッカーを貼らずにクルマを走行した場合、道路運送車両法第109条の違反にあたります。この場合、罰則として50万円以下の罰金が科される可能性もあるので注意しましょう。

Q. 車検ステッカーは貼り直せる?

ステッカーを貼り直すことは可能です。ただし上手く剥がせず破損する恐れもあるため、お勧めはしません。破損した場合は再発行が必要です。

   ◇   ◇

【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!

   ◇   ◇

【norico編集部おすすめ記事】

▽2023年1月4日開始!車検証の電子化で何が変わる?メリットは?
https://221616.com/norico/crosswalk-sign/

▽軽自動車の車検で10万円は高い?車検費用の目安と買い替えのタイミング
https://221616.com/norico/shaken-over-10/

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース