発達障害の一種であるASD(自閉スペクトラム障害)をもっている漫画家の水谷アスさん(@mizutanias)。ご自身の体験談をもとに、“歩き方”に関する話を漫画で紹介しました。
学生の頃から「歩き方が変」「すごいすり足」などと指摘されることが多かったという水谷さん。しかし、自分ではどこがおかしいのか分からず、なかなか直すことができずにいました。
さらに、水谷さんは“靴難民”でもありました。自分に合う靴がなかなか見つからず、しかも年々合う靴が少なくなっていく印象も。歩き方の癖によって、足の形状がどんどん歪んでしまい、合う靴が少なくなってゆくという悪循環になっているのでは、と水谷さんは考えました。実際に、身体の重心を測ってみたところ、かなり歪んでいたといいます。
これ以上歪んでなるものか――歩き方を改善することを決意した水谷さん。しかし、そもそもどこがおかしいのか自分では分からず、途方に暮れてしまいます。そんな時、娘のハナさん(水谷さんと同じくASDの診断を受けています)を見て、ハッとなりました。水谷さんと同様、特徴的な歩き方をしているハナさんと、他の人たちの歩き方を比較してみたところ、注目すべきポイントが見つかったといいます。
試しにそこに注意して、歩く時の足の動かし方を変えてみたところ、意外にも疲れないことが分かりました。さらに、「背筋が伸びる」「太ももが細くなる」といった効果も期待できるのでは?とも感じられました。
現在、水谷さんは意識してこの歩き方を継続しているのだといいます。
歩き方に悩みを持つ、発達障害の人が多い!?
水谷さんと娘さんが抱える、歩き方の癖についてまとめた漫画。実は、この「歩き方の独特さ」は、発達障害の当事者の多くに共通する傾向があるといいます。
実際に、水谷さんのツイートのリプ欄にも多くの反響がありました。
「足音がうるさいと言われます…(自覚なし)」
「自分も歩き方が変、と他人に言われてました。『ちゃんと歩いて』と言われても『ちゃんと』がわからず。ごく最近まで悩みの種でした」
「僕もよく言われてた。歩き姿で誰かわかるよと」
「ずっと歩き方が判らなくて、踏み出す方の足ばかり考えていましたが、引く方の足がカギなんですね!!やってみます」
他にも、引用リツイートなどを通じて、歩く際の足の動かし方や筋肉の使い方についてアドバイスされる理学療法士の方や、海外でのASDにまつわる研究について紹介される方もいました。
なお、水谷さんにおうかがいしたところ、歩き方を改善しておよそ半年ぐらいだそうです。これまでは、歩くスピードがどうしても他の人より遅く、相手に歩調を合わせようとすれば必要以上に疲れてしまったりしていたそうです。しかし、歩き方を変えてからは、あまり疲れなくなり、意識しなくても周りの人と同じスピード感で歩けるようになったといいます。効果は出ているようですね。
ただし、誤解してはいけないのは、すべての発達障害の方の歩き方が独特というわけではないということです。水谷さんも、Twitterで「発達障害=歩き方が変、ではないし、歩き方が変=発達障害ではありません」と説明されています。