自転車を運転する子連れ女性が、歩行者の男性にベルを鳴らしたことでトラブルとなった際の動画をTwitterに投稿し、問題となった。
女性が「子連れ」だったため擁護する声もあるが、そもそも自転車は道路交通法上「軽車両」であり、歩行者に対して注意喚起としてベルを鳴らすことは違反であるという声が多い。
この問題に関して、オンライン配信事業会社『京葉映像配信技術研修所』の代表で、長距離耐久サイクリングなど、自転車イベントの主催なども勢力的に行っている藤堂和幸さんが、「自転車がベルを鳴らしていい場面」と「歩行者に対してどう対処すべきか」をわかりやすく解説した長文ツイートを投稿した。
「自転車がベルを鳴らしていい場面」は限られている
藤堂さんのツイートによると、「自転車がベルを鳴らしていい場面」は自動車と同じく、以下の場面のみだという。
○「警笛鳴らせ」の標識がある区間で見通しが悪いところを走るとき
○危険を避けるためにやむを得ないとき
そして、以下の行為は歩道を走る際でも車道を走る際でもNGだという。
×チリンチリンとベルを鳴らしながらの通行
×前方の歩行者を避けて通行するための注意喚起
また、自転車は「軽車両」であるため、基本的に車道を走ることがルールとされているが、以下の場合は「自転車が歩道を通行してもいい」と解説。
○自転車通行可の標識があったり、歩道に自転車マークで自転車通行区分がされている
○運転しているのが子供や高齢者、身体障害者である
○やむを得ない場合
ちなみに「やむを得ない場合」については、「子供を載せているとか、交通量が多くて怖いとか、そういうのもOKとされています。要はこれがあるから自転車は歩道を走れるんですよね」と、ツイート。
そして、動画を投稿した子連れ女性の場合は、「自転車通行区分ではなくこの『やむを得ない場合に歩道を通行する場合』を考える」と、藤堂さんはツイート。ただし、自転車が歩道を走行する際は以下の条件があると続ける。
○徐行する(軽いジョギング程度の速度以下)
○歩行者の通行を妨げる場合には停止
もしこの2点に違反し、通常の速度で歩道を走ったり、歩行者を優先しない走行をした場合は、「マジで警察に捕まります」と、藤堂さんはツイートしている。
「ベルを鳴らすのではなく『すみません、通ります』と声をかけて徐行」を
では、歩行者の男性とトラブルになった動画を投稿した子連れ女性のように、歩行者によけてほしい場合はどうするべきか?
この疑問に対して藤堂さんは、「普通の速度で走りたいのであれば『車道におりて通行』の一択です。これ以外無理」と、ツイート。それでも歩道を通行したい場合は、「ジョギングくらいの速さで走る」「ベルを鳴らすのではなく『すみません、通ります』などと声をかけ、ゆっくり通行する。お礼も忘れずに」と、ツイートしている。
そして藤堂さんはツイートの最後に、「自転車は歩行者の延長と考えられる風潮が強いですが、あくまで車両です。リヤカーや馬、馬車と同じ扱いです。そんなのが歩道を走ってたら怖いでしょ普通wそれでも自転車は特例的に歩道を走ることができますので、その特権を失わないようにしっかりルール守って乗りましょうや」と、自転車を愛する1人として締めくくった。